すうじの1はなーに? 工場(こうば)のえんとつ モクモク♪


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気候変動対策の一環として、世界的に二酸化炭素排出量の削減に向けた取り組みが進んでいます。

 

1997年に京都で開かれたCOP3で採択された「京都議定書」をきっかけとして世界中では二酸化炭素の具体的な削減目標を設定しており、現在では125か国もの国で2050年までにカーボンニュートラルを実現することを表明しています。

 

2019年の統計では、世界の温室効果ガス排出量は約335億トンとなっていますが、このなかで海上輸送によるCO2排出量は1年で約1億トンと言われています。


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JCCCAのWebsiteより引用

データで見る温室効果ガス排出量(世界) | JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター

 

日本の2021年における二酸化炭素排出量は106400万トンとされており、その中で運輸部門からの排出量は18500万トン(17.4)、さらに内航海運からの排出量は1010万トン(0.9)となっています。


 

外航海運は日本の排出量の統計に含まれていないようですが、IMOでも削減目標を設定し、世界中の船舶に対してEEDI規制やEEXI規制を導入し、船舶の設計や運行の面からCO2排出削減に取り組んでいます。


 

大手船社でもメタノール船を製造したりアンモニア燃料の研究をしたりと、重油と比較して窒素酸化物や硫黄酸化物を排出せず燃焼効率のよい、よりクリーンなエネルギーへの転換へ投資を継続しています。

 

 

統計からみると海上輸送から排出されるCO2の割合はそれほど大きくないようにも見えますが、大量のコンテナを積んだ巨大な船が煙突から煙を吐きながら航行する姿の印象が悪いせいか、船会社でもクリーンなイメージを全面的に押し出すようになってきている風潮があります。

 

実際、環境意識の高い欧州では既に炭素税が導入されている国もあり、欧州の荷主に向けた輸出の案件などでは、案件獲得の条件として、輸送経路と物量に応じたCO2排出量をレポートしなければならないケースも徐々に見られるようになっているとか。

 

 

正確なCO2排出量を知ろうと思っても、例えば船会社の場合、発着地とコンテナサイズだけではなかなか計算が難しく、実際にはトランシップの有無や寄港地、船級や搭載量、各港の滞船時間などなど多くの要素が影響するため、実際の排出量を知ることは難しそうです。

 

ただ、このような荷主の環境意識の高まりは時代の趨勢ですので、日本通運などのフォワーダーでは輸送モードに応じたCO2排出量を試算するツールを公開しています。


 

 

おそらく2050年までにはこれからも様々な取り組みがなされ、CO2排出量という目に見えないイメージに対する投資が継続され、CO2サーチャージのようなものが導入されてくることでしょう。

 

コンソーシアム内でC重油船とメタノール船が混在するような場合にはどういうバンカーチャージの概念になるんでしょうかね??