中国発北米向け貨物が減少しています。

 

 

アメリカでの金利上昇やインフレによる消費意欲の低下などが要因となり、2022年5月をピークとして北米向けの貨物量全体は徐々に低下しつつあります。


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しかし特記すべきは、アジア発北米向けの中で中国発貨物の占める割合が目に見えて下落していることです。

 


昨年まではアジア発北米向けの約60%を占めていた中国発貨物ですが、徐々にその割合は低下し、直近の統計では202210月の速報で54%、11月ではさらに低下しているという予測が発表されています。


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世界のコンテナ市場のなかでアジア発北米向けは約8分の1という大きな割合を占めています。

 

アジア域内でコンテナ運賃の重要な指標となっているSCFI (Shanghai Container Freight Index)の中でも北米向けは27.5%と大きな寄与率ですが、今後中国発貨物のコンテナ市場での重要性は徐々に低下してくるのかもしれません。


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もちろん中国が世界屈指の経済大国であることは疑う余地もありませんが、特に北米向け貨物での中国発の割合の低下の要因として米中対立の深刻化の影響とする見方もあり、中国としては新たな市場を確保すべく中東や中南米・アフリカ諸国との連携強化の動きも報じられています。

 

 

いつの日か、コンテナ市場でも欧米中心の市場と中国中心の市場の二極化が進むのかもしれません。

 

日中貿易の依存度が高く、中国系船社のマーケットとしても重要である日本は地政学的に非常に難しい場所にあります。

 

国際政治の状況が物流にとってもますます重要になってくる時代がやってきます。