国際海事機関(IMO)でも、製造業やそのほかの業界団体の方向性にしたがい、海上輸送で発生するCO2排出量の削減目標を掲げています。
その目標数値は、2030年までに40%、2050年までに70%を削減するというもの。
この目標達成のための具体的運用としてIMOではまず、2013年以降に建造契約が結ばれる新造船や2013年7月以降に起工される新造船、ないし2015年7月以降に引き渡しがされる新造船に対してエネルギー効率の目標を課す規制を発効しました。
これをEEDI (Energy Efficiency Design Index = エネルギー効率設計指標)規制と言います。
EEDI規制に続きIMOは、既存就航船に対してもエネルギー効率の目標を設け、達成できない場合には船舶の運航に様々な制限をかける規制を制定しました。
これが、2023年1月より発効する EEXI (Energy efficiency Existing ship Index = 既存船エネルギー効率指標)規制といいます。
EEXIの目標数値はEEDIと同じとされており、達成できない船舶はエンジンの出力が制限や省エネ改造、もしくは新造船への代替などが求められることとなります。
コンテナ輸送の業界にあっては、もともと2023年は新造船のリリースによりスペースが増加する見通しでしたが、場合によってはEEXI規制によるスローダウンや減便により、再度スペースが引き締まる状況もありうるのかもしれません。
もともと環境負荷の低い輸送手段とされていた海上輸送ですが、世の趨勢には逆らえないといったところでしょうか。
船舶からのCO2総排出量や環境に与える影響を筆者は調べていませんが、やはり環境への意識が薄いと見なされればゴッホの絵画にもスープを撒かれる現代社会。
我々フォワーダーとしても、環境負荷低減を数値化して商品にする時代がくるのかもしれません。
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