海上運賃が急落しています。
SCFIを見るまでもなく、日本発着の北米・欧州航路、アジア航路の運賃が8月ごろから目に見えて急落しており、国慶節を前にした現時点でもマーケットが引き締まる感触は見られません。
北米向け運賃は今年の2月をピークに緩やかに下降線をたどっており、先月あたりから「なにか積むものありませんか」という船社のつぶやきが聞こえてくるようになりました。
滞船やヤードでの滞貨が解消されたのは良いことですが、アメリカではインフレの影響で消費にブレーキがかかり、倉庫内在庫が大きく膨らんでいるため調達も抑制されているとの話も聞きます。
北米向け市場の緩みに伴い、だんだんアジア域内にも同様の傾向があらわれはじめ、いずれは日中、日韓航路にも運賃下落の波が押し寄せてくるかもしれません。
事実、FAK運賃の有効期限の長期化やフリータイム条件の緩和など、市場にはゆるみが若干見られるようになった感覚があります。
日本の荷主の動向を見ても、運賃動向に敏感なFAK荷主はさっそく使用船社・フォワーダーの横移動を始めており、とくに円安に苦しむ輸入荷主はその動きが顕著のように思えます。
我々フォワーダーとしてはある程度の高値安定が継続してくれるほうが収益的には安泰なのですが、どうもこの運賃下落・スペース過剰に向かう流れは継続すると見られます。
今年の第二四半期までバブルと言える高収益を上げてきた船社ですが、昨年までに船舶やコンテナなどのアセットに大きな投資をしてきた船社が、来季以降に安定した収益構造を保てるかどうか、我々フォワーダーにとっても大きな要素になってきそうです。
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