東京で初めて緊急事態宣言が発令されたのは2020年4月7日。
首都圏をはじめとする都市部では、これの発令をきっかけに在宅勤務に移行した会社も多かったのではないでしょうか。
あれから2年。
最近の朝の出勤の電車の様子を見ると、人の動きはかなり多くなってきました。
待ちゆく人はみなマスク姿が当たり前で、店や事務所に入ると目に入る飛沫を防ぐついたてやスカスカの座席配置にもすっかり慣れましたが、以前の日常がずいぶん戻ってきているような気がします。
この2年で在宅勤務はすっかり定着し、今まで電車で惰性的なスマホいじりしかしていなかった通勤時間を自由に使えるようになった分、家事や趣味、人付き合いなどに費やす時間が増えた人も少なくなさそうです。
折しも政府主導で働き方改革が推進されるタイミングと足並みがそろい、より生産性や効率化を重視する業務管理や結果主義的な評価制度が進んだ会社もあるかもしれません。
しかしここにきて、全員出社、9時ー5時勤務というコロナ以前の体制に世の中が戻りつつある動きも感じられるようになっています。
筆者は古臭い人間らしく、以前のような体制に戻るのはいくらかの安心感もあります。
基本的に会社組織は社会主義的な組織だと考えているので、個人の自由を優先するよりはルールと同一の目標で活動が成り立っており、いま結果主義を優先して勤怠管理を個人の裁量に任せている場合であっても、それはかつてのルールの中で社会人を経験してきた人たちだからこそ会社活動の維持をなし得ているものだと思います。
もし在宅勤務が普通になって、社員の大半がお互いに、同僚や上司、部下の顔もほとんど見たことの無い状態になったとしたら、いまのように会社は(なんとか)うまく回っていくのでしょうか?
会社に対するエンゲージメントや責任感、成功や挫折の経験、仲間たちとの結束はどうしても薄まっていくのではないかと心配です。
そのようなものは不要、会社と個人のパフォーマンスが向上すればヨシ!という世の中に変わっていくのかもしれませんが・・・・
2020年4月7日の全国感染者数は368人でした。
2022年5月17日の感染者数は36903人。
未知なるものへの恐怖と医療体制崩壊のリスク回避のため発令された緊急事態宣言でしたが、いま制限のない生活を送れるのは政府や医療従事者の方々の努力の賜物です。
我々がリスクを恐れず生活できるようになるにつれて、経済・社会・文化・教育活動はどのような変遷をとげるのでしょうか。
そして、マスクがここまで当たり前になってしまった世の中で、新学期を迎えた少年少女は、いったいどのように恋心を芽生えさせることができるのか、とても気になります。
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