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中国では今年も11月11日、世界最大とも言われるECショッピングイベントの日を迎えました。

例年ではアリババグループをはじめとするEC業者がイベントの開催を大々的に宣伝し、狂乱のお祭り騒ぎを演出するのですが今年は少し様子が違ったようです。


習近平政権のもと、中国政府は脱炭素と共同富裕を提唱しており、アリババグループの創立者ジャック・マー氏と中国政府との確執もうわさされる中、このイベントは環境への配慮(緑色的双十一)と公共の福祉(公益的双十一)をアピールし、比較的ひっそりとした雰囲気で行わています。


それでも・・


アリババグループで記録した期間中の売上高は歴代最高を塗り替える5403億元。昨年と比較して8.5%の増加率は過去最低とされていますが、空恐ろしいほどの中国消費の底力です。





中国では日本よりも早くECやキャッシュレス決済が広まり、日本ではまだあまり見ることの無い販促のための動画配信、ライブコマースも普及しています。

コロナ化による引き籠りはむしろEC市場の成長に拍車をかける結果となり、中国の2020年のEC市場規模は2兆3000億US$にも及びます(日本は1400億US$)。

これに伴う物流網の発達も先を進んでおり、AIの活用による需要予測や在庫の事前移動、効率的な調達と輸送・通関を実現する越境ECプラットフォームの構築、配送の省力化や無人化など、大規模で革新的な施策が実施され、このように大量の貨物を確実に消費者の手元に届ける様々な努力がなされています。


国民性、政治力、中国クオリティ、いろいろな声は聞こえてきそうですが、それでも純粋に物流業者として、日本ではできないことをあまりにも多く実現していることは間違いないと感じます。