2021年も第四四半期に入り、だんだん冬の空気を感じるようになってきました。
最近よく中国での電力不足がニュース等で取り沙汰されています。
いま中国では、発電量の約6割を占める石炭火力発電所での発電量が抑制されており、その主な原因は、減産や政治的な摩擦のあるオーストラリアからの禁輸による石炭の供給不足とされています。
広東省や江蘇省などでは厳しい電力供給量の制限により計画停電が行われ、工場の稼働や市民の生活にまで影響が出ています。
現在、石炭や原油などのエネルギー市場が高騰しており、電気料金を自由にコントロールできない中国の電力事業者が発電量を抑制することは当然ですが、政策的な観点からは、二酸化炭素排出量を段階的に削減し、2060年にはカーボンニュートラルを実現することを目標に織り込んだ昨年の習近平宣言にも影響されていると言われています。
2022年2月に開催される北京冬季五輪の際に、青く澄み渡った空を各国に見せるため、なんていう噂もまことしやかに囁かれていますが・・
欧米やアジアでは年末商戦を迎えつつありますが、中国への供給依存度は高く、今後中国での工場稼働が制限された状態が続くと、海上運賃など輸送コストの高騰も相まって、サプライチェーンに深刻な影響を与えることが懸念されます。
事態を深刻に見た中国当局は電力の十分な供給を優先事項とし、電力事業者に発電量の増加を指示したそうですが、今後厳冬を迎えるにあたり、世界のサプライチェーンに与える影響はまだ未知数です。
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