2050年のカーボンニュートラルを目指して様々な取り組みがなされていますが、再生可能エネルギーへの転換はその大きな課題のひとつです。

化石燃料を使用した火力発電からの脱却は急務と言えますが、洋上風力発電は、適した場所に設置することができれば安定した電力供給を見込むことができるため、有力な候補とされています。

洋上風力発電は主に着床式と浮体式の2通りがありますが、日本には着床式の設備を設置できる沿岸部がそれほど多くありません。

広大な海洋部分に浮体式の設備を設置すればよさそうですが、沿岸から遠くなるほど送電線の設置と維持管理には莫大なコストがかかってしまいます。


そこで考えられたのが、電気を運ぶ船です。

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株式会社パワーエックス社は2021年8月18日、オンラインで行われた事業発表の中で、世界に先駆けて電気運搬船の開発に着手することを発表しました。

コンテナ状の蓄電ユニットを船に多数搭載して洋上で発電された電力を消費地に運搬するというコンセプトで、コンテナを100本搭載した船であれば220MWhもの電力を運搬することができ、コンテナ3000本を搭載する船型も視野に入っているということです。



電気を運搬するというアイデアが一般化すれば、浮体式発電設備の設置場所の選択肢は大きく広がり、また離島や災害発生時の被災地支援にも大きな力を発揮することになるかもしれません。


我々もお仕事でいろんなものを運びますが、電気を運ぶって、すごく画期的じゃないですか!?