混乱の続くコンテナ市場。
特にスペース不足が酷いのは北米向け航路ではないでしょうか。
そもそも、現在日本発の北米直行航路のサービスは非常に限られています。
西岸の北部(Seattle,Vancouver)でひとつ、西岸の南部(Los Angeles, Long Beach)でひとつ。
東岸直行サービスは皆無です。
(北部は実はマイナー船社のニッチなサービスが存在します。が、メガキャリアのパンクのあおりを受けてこちらの船社もスペースは厳しくなっています。)
その限られたサービスの本船スペースを分け合って(取り合って)いるのが現在の状況ですが、聞くところによると船会社(船のオペレーションをしている船会社も含む)が直接契約をしている荷主のスペースと、大手NVOCCのNAC案件ですでにパンク状態だとか。
さらに、ある程度の割合でT/S貨物にもスペースを割かれているため、実質的にスポット案件や新規案件は全く入り込む余地がないのが実情です。
高い運賃を出せば云々、というレベルではありません。
船会社ではすでに積み残し(Roll Over)OKの条件で、ある一定数のブッキングをうけており、これを織り込み済みで積載計画を進めています。
さらには、1週間以上の積み残しの許される貨物を選別し、個別交渉をおこなってスペースをこじ開け、緊急案件や重要案件に対応していると聞きます。
無事に船積みされたコンテナも、北米の港に到着してからは沖待ちが続き、着岸も遅延。
荷卸しされたコンテナの内陸向け鉄道輸送も、大量の残貨のため通常と比較して1週間~2週間の余分な期間を要しています。
今年ももう7月。
中国・アジア発北米向け貨物の市場混乱に端を発したこのマーケット事情。
今年のうちには混乱は収まりそうにありません。
アメリカの労働者たちが助成金に頼った生活に区切りをつけ、生産活動を再開することが、アメリカに滞留する大量のコンテナが還ってくるための最重要課題だと思うのですがいかがでしょう。

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