空コンテナやスペース不足による海運市況の混乱は収まる様子もなく、我々フォワーダーは、荷主様の怒りや落胆と船会社のテンプレ的な回答に板挟みとなり、苦しい日々が続いています。

特に北米向け輸出の状況は酷いもので、年度替わりに締結されたBCOのSCと大手NVOCCのNAC契約により来年までスペースは一杯とのこと。

スポット案件の入り込む隙は全く無く、見積もりすら「控えさせていただいている」船社がほとんどです。


このような中で改めて感じるのは船会社とフォワーダーの立場の明確な違い。


一般的な見方で言えば、船社は決まった航路でスペースを販売しています。

多少付帯条件に差があることもありますが、基本的には売り物は変わりません。

いわば「インフラビジネス」と言えると思います。


これに対してフォワーダーは、発着地の集配送やVAS、貨物の管理や追跡、保管までを取り扱い、主要な輸送部分のキャリアも状況や要望によって使い分ける、非常に複雑な輸送サービスを販売しています。

取り扱う範囲や手段を柔軟に選択でき、お客様の需要にお応えするだけでなく、新しい需要を生み出すこともできるフォワーダーの業態は、「プロダクトビジネス」と言えます。


航空会社や鉄道会社のような実運送会社と旅行代理店のような関係に似ているでしょうか。


船会社が「売り切れ」と言ってしまえばそれ以上のものは何も出てこないのが実情です。

我々は事態を打開するために、ありとあらゆる代替案をあたり、なんとかお客様の要望に応えようとします。


実運送の門戸が完全に閉ざされていても、問題解決のための試行錯誤や交渉で培った経験は必ず役に立つ時がきます。

お客様の要望する商品を作り上げ、更にはお客様の要望を超える付加価値を輸送に与えられること、それがフォワーダーの何よりの強みなのです。


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