北米・アジア航路の市況が混乱するなか、比較的安定していた中国船社による華北・華東からの中日航路ですが、このたび相次いでCICとLSSの値上げがアナウンスされました。

4月からの料率は、

【LSS】

連雲港と連雲港以北航路(青島、大連、新港など)
JPY 4500 / JPY 9000 ⇒ JPY 7000 / JPY 14000

連雲港より南の航路(上海、寧波など)
JPY 6500 / JPY 13000 ⇒ JPY 9000 / JPY 18000

【CIC】

JPY 6000 / JPY 12000 ⇒ JPY 10000 / JPY 12000

となっています。


似たようなタイミングで似たような費用が似たような値上がりをしていますが、原因はそれぞれです。


LSSの値上げはここしばらくの原油価格の上昇が要因となっており、1か月や3か月おきにLSS関連費用を調整しているアジア航路の船社も3月、4月と上昇傾向を保っています。

しばらくの間LSS費用をゼロで維持していたONEも、ついにQ2より USD2/TEU とOBSを改訂しています。

原油価格の上昇に伴い、多くの船社がBunker費用の目安として採用しているVLSFOのRotterdam市場の価格も上昇の一途ですね。

2021-03-04 17_46_51-Rotterdam Bunker Prices - Ship & Bunker


CICはContainer Inbalance Charge の略称ですが、もともと輸入過多である日本で余りがちな空コンテナを、コンテナを必要とする積み地に回送するためのチャージと考えてよいと思います。

ここにきてCICを中国船社が値上げするということは、中国側での空コンテナ不足がより一層深刻な状況となっていることが考えられ、輸入業者にはますます状況が厳しくなったと言えそうです。


先日ツイッターで韓国船社による中国発航路の値上げ情報を流しましたが、中国発釜山経由アジア向けの貨物が増加し、運賃も高騰しているため日本向け貨物にとっては厳しい状況が続きそうです。

また、中国発ヨーロッパ向け貨物も、釜山~ウラジオストク経由のSLBの需要が増えているという話もあり、中国~釜山のスペース圧迫の一因となっているかもしれません。

LSSも併せて、韓国船社も同様の戦略を取ってくることが容易に予想されます。