2016年、JAMSTEC(海洋研究開発機構)の調査により、駿河湾の深海から全長1mを越える未知の魚が採集されました。

それまでに発見されていたセキトリイワシと似ているものの、ヒレの配置や口の形状、そしてなによりその巨大な体はセキトリイワシと特徴を異にしていたため詳細な研究が進められていましたが、ついに新種であることが認められ、その成果が1月25日の英国誌 Scientific Reportsに掲載されました。


つけられた名前は「ヨコヅナイワシ」。

研究の結果、この種は深海において捕食されることなく生態系の頂点に君臨する「トップ・プレデター」であることが分かりました。


このような大きな個体が、しかも駿河湾のような日本近海で新種として発見されることは非常に珍しいことです。


まるでデボン紀の古代魚を彷彿とさせるようなその異形。

自らの生命を全く危険にさらすことなく悠然と深海に生きるその姿には悠久のロマンを感じずにはいられません。

2016年に発見された個体はメスのみとのことで、さらなる研究が期待されます。


キャプチャ