本日10月9日は、「ト」と「ク」の語呂になぞらえてトラックの日とされています。

モーダルシフトが進んでいるとはいえ、まだまだ国内物流量の9割以上を担う運送の主役はトラックです。

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思えば筆者が業界に入ったのはかれこれxx年前、国内の路線運送会社でした。

カートンやパレット、ドラムやロールなど、様々な荷姿の貨物が混在する現場ではドライバーが自ら貨物の仕分けを行い、フォークリフトや台車を使用して積み込みを行っていました。

当時大型配車担当であった筆者は、全国に数百ある支店・営業所の位置関係を高速道路や主要幹線道路を基準として頭のなかに把握し、夕方から続々とターミナルに帰ってくる発送貨物の物量に応じてドライバーに積み込みを指示していました。

ドライバーは自社社員だけでなく協力会社(傭車と呼んでいました)も多くおり、配車係としてはドライバーに指示を出し、全ての貨物が遅れなく配達店に到着するようトラックを出発させることが何より大切なのですが、想定外の物量に悩まされたり、指示通りに動かないドライバーとケンカになったりと、毎日異なる創意工夫が必要な現場仕事に苦しみ、悩み、時には喜ぶ日々を過ごしていました。


そもそもドライバーの大半はこの道何十年のベテラン。

なかには事情あって夏場でも厚手の長袖しか着られない人や左手の軍手を外せない人、CB無線の集まりやその筋のトラック会社の人などもおり、業務の元請で指示を出す立場とはいえ、若造とナメられる日々は気が重かった。

考えてみればエライ時代ですね。

スピードリミッターもなく下請け法もない時代、物販販売の依頼や値引きのお願いがあったり、タコメーターの不調を装いながらチャート紙を抜いて走る人もいた気がします。


そのような中、徐々にドライバーさんたちの信頼を得ることが出来るようになったのは、的確な状況判断となるべく早いタイミングでの指示、恩義を忘れないこと(もちろんギブアンドテイクではありますが)、そして暑い中でも自ら貨物を扱い、トラックを走らせる人たちへの敬意を忘れないよう接することを心掛けたからだと思います。


東京からワンマンで北海道や福岡、熊本に向かうドライバー。

まるで石垣職人のように美しく貨物を積み上げる積み師。
(アルミバンのない幌車の時代を過ごした積み師の技は、さらに素晴らしいものでした)

美しくムラの無いチャートを描く名人。

どんなに狭いところでも安全に着車する名人。


ムチャなことがあった時代でもありますが、尊敬できる職人さんがたくさんいた時代でもありました。

そして、そのような人生の大先輩たちに信頼され、無理を聞いてもらえるということは本当に配車冥利につきると感じたものです。


立場の違いこそあれ、自分の扱う案件も必ず現場には貨物を実際に扱ってくれる人がいます。

そのような人たちへの敬意と感謝をこれからも忘れないように仕事を続けたいとおもいます。