昭和を育った方にはなじみのある、あの肘や膝を赤く染める傷薬、赤チン。

年中半そで半ズボンで走り回っていた子供たちには擦り傷が絶えず、少々転んだくらいではそれこそ「赤チンでも塗っとけ」と両親や祖父母からはあしらわれ、赤チンをペトペトと塗りたくられた傷まわりの独特の赤色は、お風呂で洗ったくらいではなかなか落ちなかったものです。

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赤チンは正式にはメルブロミン溶液といい、商品名マーキュロクロム液として、1920年ごろにアメリカで発見されて以降、低コストで製造でき、有機溶剤に溶けず皮膚の内部にも浸透しにくいことから長く外傷の消毒薬(静菌薬)として親しまれてきました。


製造時の廃液に水銀が含まれることから1973年からは原液を国内生産から輸入に切り替えて製造を続けていましたが、無色で殺菌力の強いマキロンの登場などにより次第に販売数量は下がっており、つきに日本で唯一製造を続けていた三栄製薬が今年いっぱいで製造を終了することを発表しました。




時代の流れとはいえ、また一つ昭和が消えていきますね。

筆者は赤チンの色もそうですが、ABCの歌の替え歌が懐かしく思いだされました。

ここでは唄えませんが。