普段PCに向かって仕事をしている人がおそらく毎日必ずと言っていいほど行っているであろう作業。
Ctrl + C(もしくはX) → Ctrl + V
「コピペ」です。
数あるキーボードショートカットのなかでも群を抜いて使用頻度が高いと思われるこちら、かつてXEROXの技術者だったラリー・テスラ―氏によって1970年代の後半に発明されました。
テキストだけでなくPC上に存在するありとあらゆるデータを複製し、移し替えることのできるこの機能。
非常に簡単な操作でありながらPCの特性を最大限に生かし、作業性の向上にもはや不可欠と言ってよいこの「コピペ」は、20世紀最大の発明のひとつだと考えています。
英語圏では発音の簡潔さからCUT & PASTE (カットゥンペェス!)が呼称として多く用いられているようですが、日本では「カトぺ」となってしまい、仕事中のシリアスな場面に思わずちょび髭を思い浮かべてしまう危険性を回避する必要があったため、「コピペ」が定着したとされています。
さてこの「コピペ」という言葉、PCでの作業だけでなく、コピペによって生成されたテキストなどのコンテンツそのものを指すようになってきています。
かつてネット黎明期に誕生した2ch名作コピペ「ヤマハコピペ」や「ドーナツの穴だけ残して食べる方法」など、出所不明の引用を二次使用する際に用いられる言葉になっています。
SNSでの情報拡散はこのコピペなしには実現できませんが、そこには情報の複製だけでなく匿名性や発言の責任の回避といった危険性もはらんでいます。
昨今、SNSで発信、拡散される情報とトレンドの力は絶大で、個人の人生や国家をも動かす力を持っています。
1897年生まれの心理学者オールポートは、ウワサの広まる量は
「あいまいさ」x「重要度」
に比例すると説きました。
ネットに流れるネタを指すミーム(Meme)という言葉はインターネットが普及してから登場した言葉ですが、この法則は見事に現代の状況を言い当てていると言えます。
かつて博之氏が「うそをうそと見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」と発言したのは20年前のことです。
匿名で曖昧であるゆえの爆発力こそがネットの威力ともいえますが、自分が当事者になったときのことは立ち止まって考える必要がありますね。
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