政府は本日閣議後の記者会見で、専門家の意見を踏まえつつ14日をメドに段階的に緊急事態宣言を解除する考えであることを発表しました。




緊急事態宣言については、発令された時もそうでしたが、解除されたら何が変わることになるのかが漠然としています。

宣言が解除されることにより何が変化するのか、法令をあらためて確認しておこうと思います。


今回発令された緊急事態宣言は、平成24年に規定された新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいています。

そして今年3月13日、新型コロナウイルスに関する規定が追記され、マスコミ等で時折見かける通り、新型コロナ特措法、などと呼ばれることとなりました。

緊急事態宣言が発令されると、都道府県知事は対策本部を設置し、様々な緊急事態措置を実行する権限を有します。

具体的に定められた特別措置の例としては、外出やイベントの自粛、医療用物資や施設の提供要請、施設使用制限の指示、行政手続き期限の延長、など、日々ニュースなどで見かける話題ばかりですが、要はこうした措置の具体的な範囲や方法などは都道府県知事にゆだねられています。

使用制限の対象となりうる施設とは、学校、社会福祉施設、興行場、多数の人が利用する施設やイベントなど、と定められています。

緊急事態宣言が解除されると、都道府県知事が定めたこのような制限や要請が解除されるということになります。


ゴールデンウイークと呼ばれる日々が過ぎ、うっすら汗ばむような五月晴れの空の下、街を見ると何となくコロナ禍が過ぎ去ってしまったような錯覚に陥ります。

今週に入り、街や道路は明らかに活発になったのを感じます。

しかし、有効な治療薬やワクチンが実用に至るのは遥か先の話であり、集団免疫や高温多湿によってウイルスが不活性化するという科学的根拠はどこにも示されておらず、我々はまだ警戒を緩めるわけにはいきません。

制限を解除したところ再度クラスターが発生し、学校をふたたび閉鎖せざるを得なくなった韓国のような例もあります。

また、緊急事態宣言が解除されると、自粛や制限が緩和され、経済活動や文化活動、教育が再開することばかりが目につきますが、納税やそのほかの様々な行政手続きの期限や助成金制度についても通常どおりに戻ってしまうことは確認しておくべきかもしれません。


筆者は緊急事態宣言の解除には反対ではありません。

自分の会社の業務はもとより、学校、知り合いのお店、友達の会社、少しでもはやく元通りになればよいと祈っています。

それでも、ワクチンや治療薬が実用化されて医療崩壊が決して起きない根拠がない限り、つい3か月前のような元の世の中に戻れるとは考えていません。

世の中にあふれる情報のほとんどはノイズともいうべきもので、その中から自分にとって信用できる正しい情報を取捨選択し、自分と家族、自分の所属するコミュニティを守ることが何より大切だと考えています。

自粛警察と呼ばれる正体不明の正義の味方たちのように人のことを気にするよりも、自分自身が周囲に配慮し、いかに優しくあれるかを考えることを大切にしたいですね。

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