アメリカ海軍は、AIで自立航行し、攻撃能力を有した無人潜水艦 CLAWSを開発中であることを発表しました。
自律航行する船舶や潜水艇の開発ニュースはこれが初めてではありませんが、攻撃能力を有し、AIによる制御によって完全に軍事行動を自己完結できる潜水艦という意味では、非常にインパクトのある発表といえます。
無人の潜水艇や船舶、航空機はすでに多く開発されており、居住空間を必要としないため機体や船体を小型化することに成功し、また人間の疲労度や心理状況の考慮が必要ないという面で有人の機材より有利と認められる場面も多くなりつつあります。
しかしそれはあくまでも人が乗っていないだけでそのコントロールは人間が行っているものでした。
AIによる完全自立軍事行動がほんとうに実戦投入されるのかはわかりませんが、情報が公式に発表された時点で、米軍としては開発が実現可能な程度に進んでおり、中国やロシアと比べても明らかな優位性が保てているという判断がなされたことは容易に想像がつきます。
国力対国力の消耗戦である全面戦争はおそらく今後発生することなく、地域紛争や局地的な支配権確保が主流となる今後の軍事衝突において、こうなってくると、もはや展開する戦力と性能の差で戦わずして結果が見える状況になってきます。
かつて核戦力による均衡を平和状態と説いたMAD(相互確証破壊)理論が、局地的に通常戦力で実践されるようなものです。
政軍分離を唱え、純粋な核戦力のみで成り立つ国家を立ち上げた漫画がありましたが、軍事力を背景として国家間の経済、政治交渉をおこなう時代はもうしばらく続きそうです。
政軍分離と技術的特異点への到達、どちらが先でしょうね?
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