中国の武漢から広まりつつあると言われる、コロナウイルス感染による新型肺炎。

人から人への伝染が確認され、感染力の強いスーパースプレッダーの存在まで取りざたされるこのウイルスに対して、ついに中国政府は武漢市封鎖という強硬策に打って出ました。

25日の春節を目前にして航空機や鉄道など武漢市に出入りする交通機関はサービスを中止し、大型連休を家族とともに過ごす予定だった多くの人たちに影響が出ています。

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長江を1000㎞以上もさかのぼった中国のほぼ中央部に位置する武漢は、殷代からの遺跡が発見されるほどの長い歴史を持ち、広さは四国の半分ほど、人口1000万人を超える中国内陸部を代表する大都市です。

現在でも空路、水路による物流の要衝であり、自動車産業などの工業も発展しており、COSCOはつい昨年、長江を利用した日本へのダイレクト航路のサービスを開始したところでもありました。


今回の件、実態の報告や封鎖などの強硬措置もすでに手遅れではないかとの説もあり、中国からの大量の旅行者に対して成田、関空では検疫官による水際対策のため厳戒態勢が敷かれます。


中国ではすでにマスクや消毒薬などは品薄状態となっており、アリババなど大手Eコマース業者は緊急にメーカーやサプライヤーを募るなど、物々しい雰囲気は中国全土に広まっていますが、すでに感染者は中国全域から報告されているようです。


WHOでは状況を注視しながら協議を続けていますが、いまのところ緊急事態の宣言は保留されています。

WHOの緊急事態宣言は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」であると認められる事案に対しWHOの事務局長が宣言することになっており、今までに宣言された例は、アフリカでのエボラ出血熱やブラジルのジカ熱の流行などがあります。


感染症の蔓延を防ぐには、感染源、感染経路、感染者のいずれかを封じ込めればよいとされていますが、まだウイルスの特性や感染経路などは明らかにされておらず、当然ながらワクチンも発見されていません。


我々にできることは、飛沫感染をふせぐためにマスクを着用し、殺菌作用のある石鹸で頻繁に手を洗うことくらいでしょうか。


こうしている間にも、日本人の感染者が武漢で確認されたというニュースが流れてきました。


パンデミックという危機的状況を迎える前に、なんとか収束に向かってほしいものです。