ドラえもんが作られた22世紀の世界。

そこには、自動運転で走りまわる乗り物や人の暮らしに溶け込む様々なロボットが描かれています。


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ラスベガスで1月7日から10日の日程で開催されている未来技術の国際見本市、CES2020のなかでトヨタ自動車が発表した計画。

それは、静岡県裾野市に広がる広大な自社工場跡地を利用して、未来技術の実験都市を建設するという壮大なものでした。





70万平方メートル余り( = ざっと800メートル四方)の土地に建設される街は、つぎのようなコンセプトに基づいてデザインされることが発表されています。


Woven Cityの主な構想

  • 街を通る道を3つに分類し、それらの道が網の目のように織り込まれた街を作ります。
    1. スピードが速い車両専用の道として、「e-Palette」など、完全自動運転かつゼロエミッションのモビリティのみが走行する道
    2. 歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存するプロムナードのような道
    3. 歩行者専用の公園内歩道のような道
  • 街の建物は主にカーボンニュートラルな木材で作り、屋根には太陽光発電パネルを設置するなど、環境との調和やサステイナビリティを前提とした街作りを行います。
  • 暮らしを支える燃料電池発電も含めて、この街のインフラはすべて地下に設置します。
  • 住民は、室内用ロボットなどの新技術を検証するほか、センサーのデータを活用するAIにより、健康状態をチェックしたり、日々の暮らしに役立てたりするなど、生活の質を向上させることができます。
  • e-Paletteは人の輸送やモノの配達に加えて、移動用店舗としても使われるなど、街の様々な場所で活躍します。
  • 街の中心や各ブロックには、人々の集いの場として様々な公園・広場を作り、住民同士もつながり合うことでコミュニティが形成されることも目指しています。
※TOYOTAのホームページより抜粋



街の名前は WOVEN CITY。

かつて織機の製造から事業を興したこの会社のルーツに由来するネーミングとされています。


この街が建設され、人々が暮らし始めるにつれ、環境問題や公衆衛生、そして人の移動や物流における様々な実験が行われることになるでしょう。

このプロジェクトの意義は、そこがTOYOTAの私有地であり、いろいろな法令に縛られない実験が行われるところにあります。

我々の業界にとっても、自動運転や置き配、フィジカルインターネットなど、物流に関わる様々な試みが実証されることが期待されます。

さらに、限られた区域内での法令の緩和や特例の導入など、行政の方向転換への働きかけにも役立つかもしれません。



街のデザインはかつてテスラモーターズのイーロン・マスクとともに火星の都市などを描いたビヒャルケ・インゲルスによって行われるとのことで、想像もつかないような未来都市のカタチになることでしょう。


街の建設は2021年から。


もう、22世紀を生きる人は生まれています。


どのようなミライノマチが生まれることでしょう。


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