南米原産の赤く小さなこのアリ。

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刺されると痛みを伴う発疹やアレルギー反応を発症し、まれにアナフィラキシーショックにより死に至ることもあると言います。


特定外来生物に指定されているこのヒアリ、2017年以降様々な海港で発見され、伝播が懸念されていましたが、このたび

「東京青海ふ頭において、50個体以上の女王アリが発見されるなど、これまでの事例とは次元の異なる発見が確認された」



とのことです。


輸入申告が行われるコンテナの内部貨物は、検疫の必要が認められる内容物である場合はその都度検疫所が検査を行い、場合によっては燻蒸や消毒処理が行われたうえで貨物は国内へと持ち込まれます。

しかし、コンテナそのものが検疫の対象となって検査を受けたり消毒処理をされることは通常あり得ません。

もしそんなことになればどれほどの手間と時間をかけることになるでしょう。


海外から貨物を輸入すれば、その運送手段そのものもそうした微生物を運搬するキャリアとしての役割を果たさざるを得ません。

いま日本のどこの海岸でも見かけるムラサキイガイも、海外からやってくる船舶の船底やバラスト水に紛れ込んだ稚貝が日本の岸壁に定着して繁殖しました。


しかし、人畜に被害を与え生態系を崩しかねない外来生物の蔓延は、可能な限り水際で食い止めなければなりません。

ポスター等で啓発活動を行っていますが、なにしろ相手は小さなアリ。

一筋縄ではいかないことでしょう。

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成田や関西空港などの貨物地区でも、植栽や公園などには蚊取り器がところどころ仕掛けてあり、保健所の職員が見慣れない生物が侵入していないかどうか目を光らせています。


港湾で働く方々や海コンドライバーの皆さん、どうかお気をつけて。


それにしても、国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室の室長、頼りになりそうすぎる・・・

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