タピる?

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まだまだ勢いは衰えを見せません。

当社でもその材料となるキャッサバ澱粉の輸入を取り扱っています。

というわけで、少々タピオカなるもののことを調べてみました。


ご存知の方も多いと思いますが、タピオカとはさきに述べたキャッサバという芋類の澱粉を糊化し、粒状に乾燥させてものを再度水で煮戻してゼリー状にしたてたものです。

キャッサバはブラジルを原産地とし、やせた土地でも生育が容易で収穫量も多く、また長期保存も可能であるため、17世紀にポルトガル人がブラジルを支配していた際に奴隷貿易のための食料として世界に広めていったといわれています。

日本ではあまりなじみのない芋類ですが、世界中の熱帯地域で広く栽培されています。

気候条件的に、日本でも、そして台湾でもキャッサバはほとんど栽培されていません。

タピオカという言葉は、ブラジル先住民のトゥピ族がこの澱粉の製造法をそう呼んだことが語源になっています。

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キャッサバ澱粉としては増粘剤としての食品添加物や、バイオエタノールなどの工業利用もされていますが、ここではこのタピオカにのみ注目してみましょう。

HSコードでも1903.00としてちゃんと独立して税番がふってあります。


キャッサバの生産量の多い国は、ナイジェリア、コンゴ、タイ、ブラジル、インドネシア、ガーナ・・・となっていますが、日本へのタピオカの輸入元二大巨頭は台湾とタイです。

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こちらを見てもわかる通り、圧倒的なシェアをこの2国で賄っていますが、2008年と2018年を比較して、台湾からの輸入量が圧倒的に増加していることが分かります。

さきほど述べた通り台湾ではキャッサバの生産はほとんど行われておらず、台湾からは冷凍されたタピオカが主に輸入されていると考えられ、また昨今のブームにより台湾製のタピオカ需要が伸びていることが要因と思われます。

タピオカもいろいろな形で輸入されますが、タイからのものは、まだ精製前の澱粉上のものや糊化して粒状になったものなど、より原料に近く、台湾からのものはより製品に近いものが多いように感じられます。

これは上記のグラフを見て、台湾からの輸入額が重量に比べて高価であることからもわかると思います。

(ちなみに金額÷重量をするのはやめましょうね。ある程度原価のメドがついてしまいます)

※こちらの資料は税関による特集記事「タピオカの輸入」を参照しました。


やれカエルの卵だの、反社の資金源だの、健康被害だの言われていますが、おそらくそのほとんどは都市伝説です。

カエルの卵のほうがきっとコストかかりますし、商売あるところに反社ありですし、健康はほぼ純粋な炭水化物であるタピオカよりはその甘いミルクティ―の飲み過ぎの影響のほうが大きいでしょう。



節度を持って楽しみましょう。
お店で出されたものはなるべく残さず頂きましょうね。

そして、いっぱい輸入してください。
我々業者もうるおいます。