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物流業界の労働力確保が問題となるなか、矢継ぎ早に驚きのニュースが報道されました。

ZOZO、物流拠点のバイト2000人増 時給も上げ


ZOZOがバイト2000人募集 時給1300円 応募殺到で15日に募集停止へ


昨今、大手SCM業者の物流拠点は、日系デベロッパーや外資系の倉庫会社が郊外に建設する大型倉庫を拠点とする例がすくなくありません。

商品を仕分け、保管、流通加工、発送する倉庫にとっては場所(スペース)こそが必須の要件であり、コストの根幹となるため、建築費や家賃を低価格で抑える必要があります。
ところが、いわゆる郊外型倉庫にとって、労働力の確保は非常に頭の痛い問題です。

今回、つくば市のZOZO倉庫で、破格の時給とボーナスを条件に2000人ものバイトを募集するというビックリな報道がなされました。
そして、応募が殺到し、あっという間に募集停止と相成りました。


近隣でSCM事業を展開する業者にとっては青ざめる出来事です。


おそらく、茨城県下の倉庫作業のバイトであれば、だいたい時給1000円くらいでの予算設定でしょうか。
それに対して30%も上乗せされた時給とボーナスという好条件であれば、働き口を乗り換えるバイトが多くいても不思議ではありません。
まして、倉庫作業というものは、大規模であればあるほど、末端の作業は単純化し、同じ時給でも個人への負荷は軽減されていくものです。


今回、ZOZOが資金力に物を言わせて限られたリソースを青田買いにかかった形ですが、今後5年、10年先のSCM事業として、労働力の確保は最大の問題になってくるに違いありません。

ロボットなどによる作業の自動化や人間の作業の軽減も必要ですが、季節変動のある作業量を組み合わせながら近隣の倉庫と労働力をシェアするような考え方も出てくるかもしれません。

また、改正入管法を背景に、外国人労働者への需要がますます伸びていく可能性もあります。


今回、あっという間にバイト募集が定員をオーバーしたのは、「募集します」という報道をしてしまったマスコミによる部分もあると思いますが、実体としては、それだけ余剰の労働力があったのではなく、乗り換えにかかったバイトがたくさんいただけのこと。
今後、業界全体として問題解決の糸口を探っていく必要がありそうです。