最近ネットを賑わしている言葉、「瀬取り」。

本来は荷揚げや中継のために船から船や艀に海上で貨物を積み替えることを指し、日本でも港湾が未発達の江戸時代などには盛んにおこなわれる荷役方法のひとつでした。

d2_1303557_SIP



ネット売買などを利用して転売差益を上げるせどりは、「競取り」または「
糶取り」と言い、別の意味の言葉です。
また、行方不明者の戸籍を悪用して他人に成りすますのは「背乗り(はいのり)」と言い、これまた全く関係のない言葉です。


さて、本来は物流活動の一形態を表す「瀬取り」という言葉自体に悪い意味はありません。
しかし、残念ながらこの「瀬取り」自体が違反行為と非常に直結しやすい行為であるため、監視対象にされている国が存在します。


このような国は国際政治的な状況から経済制裁を受けており、特に石油輸入に制限を設けられています。
まともな貿易であれば相手国もあるわけなので、経済制裁の対象品目に該当する石油を輸入することはできません。

そこで、監視機関や周辺諸国の目を盗んで石油などを国内に持ち込む手段として用いられる方法が「瀬取り」なわけです。


2006年10月に北朝鮮が行った核実験に対して決定された国連安保理決議1718を皮切りに、ミサイル発射実験などの事案が繰り返されるたびに今までに実に10の安保理決議によって北朝鮮には経済制裁が敷かれています。
また、日本でも独自に禁輸政策などを取っており、日本海での船舶の動向や洋上の行為には強い監視の目が向けられており、海上自衛隊や海上保安庁の活動はますます重要になる一方です。


実は日韓には直接の軍事同盟は存在していませんでしたが、米韓相互防衛条約と日米安全保障条約の下、同盟国の同盟国として軍事上の関係を維持してきました。
しかし、年末からの事案以来、なかなか意思の疎通がうまくいかず、話の落としどころが今のところ見えてきません。

ネットでは様々な憶測も含めて色々と騒がれていますので、詳しいことはここでは述べませんが、今後の日本海が平穏であることを祈るばかりです。