Danish freight firm DSV makes $4 billion play for Panalpina
1月15日付のニュースで、こんどはDSVがPanalpinaの買収に興味を示しているとの報道がなされました。
DSVはデンマークの伝統あるグローバルフォワーダーで、現在の売上高ランキングは第5位に位置します。
吸収合併による旺盛な拡大意欲に満ちた会社で、2016年には米国の大手フォワーダーUTIを買収し、ネットワークを大幅に拡大しました。
また、続いてスイスの大手フォワーダーCevaの買収にも乗り出しましたが、金額面での折り合いがつかず撤退したばかりです。
今回の打診には40億ドルという具体的なオファー金額や、新株発行による資金調達などの具体的方法も生地に含まれていることから、ある程度現実味を帯びた話としてマーケットにはとらえられています。
また、以前報道にあったK+Nは今のところコメントを控えているとも記事に記載があります。
合従連衡は世の常と以前にも書いたことがありますが、世知辛い世の中、伝統と取り扱い物量だけではリーディングカンパニーとして市場で確固たる地位を築き、維持することは容易ではありません。
特にグローバルネットワークを経営の基盤とするフォワーダー業界では、キャリアに対するスケールメリットだけでの差額利潤のみで利益を確保するには限度があり、輸送そのものに加えてその両端の付帯業務と荷主の囲い込み、そして新たな輸送需要を作り出すまでのロジスティックス戦略が必須です。
欧米系の大手フォワーダーが海外進出してネットワークを維持する難しさはまさにそこにあり、ノンアセットやライトアセットでの海外展開ではどうしてもベース顧客の囲い込みができる営業拠点が限られてきます。
人材の確保や設備への投資がローカル企業に対してどうしても遅れをとってしまう外資系フォワーダーは、ついいつまでもグローバルネットワークと取り扱い物量という幻影のもと、「代理店」感覚からなかなか抜け出せない現状があるのではないでしょうか。
船社や航空会社と仲良くするだけで運賃商売でメシが食えた時代はとっくに過ぎ去り、Amazonのような顧客需要を基盤にしたEC業者がフォワーディング市場を圧迫しつつあります。
勝ち組・負け組を決めにかかるにはまだ尚早ですが、目まぐるしく動く時代の流れを見逃さず、方向性を定めること、そしてローカル市場の需要やマーケット事情を本社と共有し、協力体制を気づいていくことがとても重要です。
それにしても、業界では「超」大手とも言ってい良いPanalpinaに関する相次ぐ報道。
業界の激動はとどまることがありません。
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