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以前にも一度危険品については書きましたが( リチウムイオン電池のこと - 危険品 )、頑張り屋さんの新人営業がお客さんから依頼されて取ってきた貨物が実は危険品だったということが時々あります。

日本国内で非常に簡単に持ち運べたり、とても身近にある商品だったりすると、いざ航空機に貨物として搭載するときに危険品であることに気付くと戸惑うものです。


ディプロマの有資格者がいれば尋ねるのがいちばんですが、客先で即座に返答を求められるとなかなか時間的猶予が持てないもの。
今日は非常に安易なレベルで、意外と危険品になりうるものについて書き並べておきたいと思います。


★リチウムイオン電池を内蔵した小型家電

以前にも一度書きました。
スマホやゲーム機、電子タバコやワイヤレスイヤホンなど、リチウムイオン電池を内蔵した機器はいたるところにあります。
重要なチェック項目は内蔵されているバッテリーのスペック(Wh値)と一梱包内の機器の個数。
ここを抑えれば、一般品として扱うことのできる貨物はたくさんあります。
また、ラベリングなどの手間を省けるような梱包を手配してもらえるよううまくお客さんを誘導することができる営業担当は、現場のスタッフにとって非常にありがたい存在になります。


★モーターやモーターを内蔵した機器

実はモーターに限らず、磁性体(つまり磁石)は原則的に危険品として定義されています。

一般品として輸送できる磁力の定義は、
「磁性体を梱包した貨物の表面から7ft離れたところで測定した磁力が0.002Gaus(0.159A/m)未満、もしくは磁気コンパスの振れが2度未満」
とされています。

なんということでしょう。

素人の判断がつく世界ではありません。

本格的な(?)磁気を帯びた製品は、専門の梱包業者が防磁梱包を施し、磁器測定もしてくれたりします。
安易に出荷して航空会社上屋でハネられるくらいであれば、事前に十分に調査しましょう。

ちなみに小型家電の一つとして人気の高い日本製スピーカー、これも磁石が内蔵された製品ですが、基本的に市販されているスピーカーは防磁構造となっているので平気です(のはずです)。


★香水、ネイル、アロマオイルなどなどいい香りのしそうな液体

アルコールや有機溶剤が使用されている場合が多く、可燃性液体として危険品になる場合が多いです。
MSDSを検証して含有量や引火点により危険品として正しい取り扱いで輸送することも可能ですが、そもそもドラッグストアでいくらでも買えるようなものを送る場合、メーカーからMSDSを取り寄せるなんて不可能のようなもの。
裏面をチェックして、「火気厳禁」と書いてあるものは基本的に一般品としての輸送は困難と心得ましょう。
ペンキなども要注意です。


★活性炭フィルター付きの空気清浄機や加湿器

空気清浄機は健康志向の高い中国で非常に人気の高い日本の家電のひとつです。
しかし、よく見かける活性炭フィルターなど、木炭もしくは木炭に由来する物質は危険品としての取り扱いが必要です。


★冷蔵庫

冷媒に使用される液化ガスの容量に制限があったり、航空輸送禁止の液化ガスが使用されていたりします。



あげればキリがないのが航空貨物の危険品。
しかし、一度受諾したりレートを提示した後に話を変えるのはとても難しいものです。
ちょっとでも不安があれば、必ずお返事を保留してきちんと確認してから手配を進めるようにしましょうね。