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外国人受け入れ5年で最大34万人 改正入管法が成立 


12月8日未明の参議院本会議で、改正入国管理法が可決されました。
先日、「労働力の確保」という記事で本ブログでも閣議決定を取り上げましたが、与党にしてみれば順当に本会議での採択までこぎつけたということになります。


この改正法で、新たに下記2つの在留資格が実施されます。
細かな説明は色々なサイトにありますので省きますが、その骨子としては下記の通り:

特定技能第一号
ー 特定の職種の専門的技能が必要
ー 最大5年間の滞在が可能
ー 家族の帯同は不可

特定技能第二号
ー 滞在期間に制限なし
ー 家族の帯同が可能

そして、生産性向上や日本人労働者の確保に取り組んでもなお人材不足が懸念される14業種がこの新たな在留資格をもって日本で働く外国人の受け口として設定されています。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業(水産加工業含む)
  • 外食業
  • 素形材産業(鋳造など)
  • 産業機械製造業
  • 電子・電気機器関連産業
  • 建設業
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備業
  • 航空業(空港グランドハンドリング・航空機整備)
  • 宿泊業

いまから20年後には日本の人口が2000万人減少し、それと同時に高齢者の人口比率がピークを迎えることが予想されており、将来の労働力確保に向けて打った大きな布石と言える政策決定です。


しかしながら、法案成立までの審議があいまいで決議が乱暴だとか、現在施行されている技能実習生の制度の問題解決が先決だとか、ドイツ移民政策の失敗の轍を踏むだとか、批判的な意見が多いのも事実です。

実際のところ、問題を抱えながらも一歩踏み出し、修正を加えながら進んでいくしかないところなのでしょうが、誰にとっても100点という政策はあり得ないところが政治の難しいところなのでしょう。
筆者にもこの決定が今から20年後にどのような影響を与えているのかは予想がつきません。


いま国際物流の現場にいる我々にできることは何でしょうか。

それは、日々の業務の効率性と品質の向上を図り、それを標準としてマニュアルを作成し、それを評価する手順を作っていくことではないでしょうか。


物流の現場で働く我々にとって、人員や予算が充実して余裕のある業種も職種も皆無だと思います。
人の出入りが激しい現場で、新しい仲間に仕事を教えている間にしわ寄せの影響を受けたベテランがまた辞めていくことはとてもつらいことです。
日々、慣れた人間が役割をもって回している現場において、管理者はその内容を冷静に分析し、必要とされるスキルを把握しておくことが重要です。
例えば、熟練のスタッフが10人いる現場であれば、その10人からスキルレベル1の仕事を集めれば、今日新しく仲間になった新人でも、ひとり分の仕事を全うすることができ、なおかつほかのスタッフ全員が楽になるのではないか。

このようなことはなかなか簡単ではないですが、それでも現場の人員の負担を均一にする工夫を常に考えたい、改正入管法の成立をきっかけに、ますますそう考えるようになりました。