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かつてゲームでも有名になった「大航海時代」。


大航海時代とは、15世紀から17世紀にかけてのヨーロッパ諸国による新航路や新大陸の発見にいたる一連の動きを指します。

そして、その主役はスペインとポルトガルでした。

これは、15世紀までの時代、地中海の西のはずれにあるスペインとポルトガルは地中海貿易の恩恵を受けることができず、進出していく先が大西洋やアフリカしかなかったことが一因ともとらえられています。


理由はともあれ、ひとたび大海原に乗り出すことを覚えたこの2国は矢継ぎ早に歴史的偉業を次々と達成します。

1448年 バーソロミュー・ディアスがアフリカ最南端、喜望峰に到達(スペイン)
1492年 コロンブスがサンサルバドル島に上陸(スペイン)
1498年 バスコ・ダ・ガマがインドに到達(ポルトガル)
1500年 カブラルがブラジル上陸(ポルトガル)
1519年 マゼランが世界一周達成(スペイン)
1543年 種子島に鉄砲伝来(ポルトガル)

などなど。


マゼランが世界一周を達成したとき、出港時237名いた乗組員は20名以下に減っていたと言いますが、それでもへこたれず、開いた航路にはどんどん人と経費を投入し回収にかかるのが国家の経済活動というもの。

上陸した国にはキリスト教を広めたり、金銀を持ち帰ったり、植民地支配をおこなったり。

中南米でスペイン語、ポルトガル語が多く使われるのもうなずけます。


この中で特に重要な位置を占めた現地産品は胡椒をはじめとした香辛料でした。


インドや東南アジアで産出された香辛料は、ヨーロッパの王侯貴族たちの肉食には欠かせない文化となり、非常に高値で取引されていました。
海路での調達ルートが開拓されてからは、西方航海では後発となるオランダやイギリスなどとともにその利権を激しく争うこととなります。


航路が開けばここにない物を持ってくることが出来る。
いまでも、新規ビジネスに未開拓マーケットはブルーオーシャンなどと例えられたりします。


ただ、堅苦しいビジネスでなくても、世界の地理と歴史の知識を少し持てば、国際物流を見る目も変わってきたのを最近感じます。

学生のころはそれほど好きでもなかった教科ですが、世界各国の地名や航路を見る仕事をしていると、今更ながら面白い・・・