EC業界の巨人、Amazon。


あまぞん


Amazonには、ほかのEC業者がとても真似のできない、巨大インフラをバックグラウンドにした特殊なシステムがあります。


その名も、Amazon FBA。


FBAとは、Fulfillment By Amazon の頭文字を取った造語です。


Amazonで商品を販売する出品者は、日本に15か所(2018年11月6日現在)ある巨大な物流倉庫、FBAセンターに商品を預けることによって、商品の保管から受注、梱包、発送、集金代行そして返品処理までをAmazonに代行してもらうことが出来ます。
また、FBAセンターに預けられる商品はAmazon Prime商品としての扱いになるため、販促力にも大きな向上を見込むことが出来ます。


さてさて、国際物流業者にこのFBAが何の関連があるかですが・・・


Amazonの出品者は多岐にわたり、その商品調達先もまた世界中に広がります。

Amazonに出品している商品の調達先は、日本のメーカーや卸業者とは限らず、自社製品を販売する出品者の場合は海外の工場から直送させる場合も多く見受けられます。
このような場合、日本の出品者は自らが輸入者となり、保管コストの圧縮や在庫補充のリードタイムを縮めるため、輸入した商品を直接FBAセンターに納品することも多くなっています。

とくに空港やCY、CFSに長く置いておけない輸入貨物は、許可のタイミングに合わせて配送日程を調整し、間髪入れずFBAへ納品をする必要があります。

(FBAセンターへの納品は全てシステムを経由した予約(アポイントメント)を取る必要があり、混んでいる時期などはなかなかうまく思った納品時間の予約が取れず、チャーター会社との折衝に汗をかく場合も多いですね。)


輸入者の素性がはっきりしている場合はそれでもまだよいのですが、最近増えているのは、日本のAmazonに直接海外の出品者が出品しているケースです。


輸入通関における輸入者とは、原則的に日本の居住者である必要があります。
日本に法人を持たず、居住していない出品者は日本に貨物を輸入してFBAセンターに在庫を持ちたいわけですが、Amazonは決して輸入者とはなりません。
Amazonは、ただ予約のあった貨物を引き取って管理を行うだけですので、輸入される貨物に対する情報も、責任も持ちませんし、まして納税の義務も持ちません。


したがって、海外の出品者は日本に輸入者となる代理人を用意する必要があります。


きちんとした商社が、それぞれ海外の出品者と契約を結び、しっかりとした手数料を取って税関事務管理人として輸入者責任を果たし、場合によっては消費税の納税代行をする場合もあります。

しかし昨今、ちょっとしたお友達に輸入者になってもらったり、もしくはSNSでのコミュニケーション程度で簡単な約束をして輸入者として名前を借りたりするようなケースもあると聞きます。

このような場合だと、商品の詳細確認が必要だったり、食品、薬事などの他法令の申告が関わる物品の輸入通関は本当に困難を極めるでしょう。


越境ECの拡大が我々自身の生活を便利にしている部分もありますのでむやみに文句も言いたくないですが、税関が保とうとするモラルが海外のお客様から「日本人は固い」というイメージにとらえられると、少々残念な気持ちになりますね。