9月14日より関西空港では第一ターミナルを一部運用再開し、国内線、国際線の運行を徐々に再開するとともに、JL,KEなどでは国際貨物の受諾も条件付きながら再開するようですね。

しかし一方では、まだまだ汚泥の除去や水の掃き出し、消毒作業に追われ、設備機器やシステムの修復、お預かりしていた貨物の点検にまで至れない箇所があることも事実です。

貨物地区の中でも重要な存在であるエアライン上屋、我々国際物流マンにとって、エアライン上屋こそがまさに国際貨物の最前線。
エアライン上屋の機能回復こそが我々にとっての本当の意味での復旧を意味すると思い、作業にあたる方々を応援したいと思います。

日本に発着する国際便の航空会社は何十社とあります。
しかし、関西空港や成田空港に存在するエアライン上屋はわずか4~5社です。
では、なぜこのエアライン上屋がそれほどまでに重要なのでしょうか。

輸出においては、貨物はおおむね次のような流れで海外に向けて輸送されます。

お客様から貨物を集荷

フォワーダー(もしくは通関業者)の上屋に搬入され、輸出通関
場合によってはパレタイズや梱包、書類作成などもこのタイミングで行われます。

航空機搭載のための準備
爆発物検査、検量、MAWB発行
(航空会社との契約によってはULD積み付け作業など)

エアライン上屋に搬入

航空機に搭載、海外へ


輸入の場合は次の通り。

到着した航空機から貨物を取り卸し

エアライン上屋に搬入

フォワーダー(通関業者)の上屋に搬入
混載の場合はHAWB単位にブレイク (ハウスで当たる、なんて言いますね)

輸入通関
仕分けや国内配送手配、もしくは保管など


つまり、エアライン上屋の担う輸出、輸入貨物ハンドリング業務とは、ランプハンドリング業務と合わせ、まさに空を飛ぶ乗り物と地上をつなぐ重要なインフラなのです。

私もお仕事の関係で専用のパスを取得して貨物搭載に立ち会ったことがありますが、何も遮ることなく目の前に立ちはだかるナマ飛行機はド迫力です。
その音と熱気、匂い。飛行機好きにはたまりません!

非常に厳しい制限事項が設けられた区域の中でミスのない仕事を淡々とこなす作業員の方はとてもカッコいいものです。

行政の後押しにより、関西空港は予想を超えたスピードで機能を回復しつつあります。
しかし、日の当たっていない部分があることも事実。
少なくとも我々同業者は浮かれることなく、陰ながら我々のサービスを支えてくださっている方々のことを忘れずにいたいものです。

関西空港会社の復旧状況レポート。
ターミナル、スポット、BHS、滑走路などの復旧状況が日々更新されています。

なぜ貨物地区に関する記載がないのでしょうか・・・


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