いろいろなことを書いてみようと始めたブログですが、やはり気になるのは関西空港のこと。

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これは、関西空港内のある航空会社上屋さんの9月11日付の通知です。

華やかなフライト再開やターミナル復旧の報道はどこへやら、泥にまみれながら必死で作業にあたっている方々の悲鳴が聞こえてくるようです。
被災後1週間も経過しながら、業務の再開どころか、蔵置してあった貨物の状況確認すら開始できず、いまだに安全確認などの最低限の作業に追われている状況、ほんとうに何とかしたい。

当社でも、テレビ報道などを見たお客様から「関空はもう大丈夫なんでしょ?」などという問い合わせを受けているようです。
報われない思いで頑張っている方々、少なくとも同業者は状況も正しく理解した上で皆さんの苦労を見ていることを知っていただきたいです。

輸出入ともに、関西空港の機能停止と同時に航空貨物の発着物量は成田や羽田をはじめとした日本各地の国際空港にシフトしました。
滑走路や上屋設備、すでに就航している路線状況などから、これは自然な成り行きと言わざるを得ませんが、まさにここにいま2次災害ともいえるパニックが起こりつつあります。
瞬間的にオーバーシュートした貨物量をさばくため、上屋、通関業者、トラックなどの処理能力がパンク状態です。

エアラインのスペースはもちろん、通関業者の上屋は貨物の搬入もできず、リフトマンもフル稼働。
飛行機は到着しても航空会社上屋に搬入登録のされない貨物、搬出入を待つトラックの列、そして、曜日や時間を忘れるまでに延々書類審査と申告を続ける通関業者。
(成航さん、今時期だけでもちょっと優しくしてもらえないかな)

当社の倉庫でも、通常の4倍の貨物量を記録した日には倉庫内で1日使用するスキャナのバッテリーが半日でカラになるという異常事態。

現場の人間も疲弊し、関西から大移動した人たちを家に帰らせてあげるためにも、早急に手を打たねばなりません。

幸い、当社の関西のパートナーは輸出の仕立て作業、輸入のハウスブレイク、そして通関を行える上屋の機能を早々に回復することができました。

そこで、輸出入ともに通関拠点は関西に戻し、現場作業を混雑した成田や羽田から分離することで、一時的に関東に集約した人員や工程を再度、関東、関西の2拠点に分散させつつあります。

当然OLT(保税輸送のことです)の費用は掛かりますが、それよりもこの大混雑した環境にあえて人員を投入し、苦しみながら効率の悪い作業を継続するよりも、輸送品質を落とし経費をかけてでも通関現場作業を円滑に戻すことを選択しました。

それでないと、あと1週間は現場が持たないと判断したからです。

関西で通関を切ってOLTをかけるとはいえ、エアラインスペースがタイトなのは変わりません。
ただ、現場作業のモチベーションを維持するためにお客様にご理解いただきたいと考えます。

輸入についても、セントレアやほかの代替空港へ到着するルートを検討していますが、なかなかスペースが厳しい状況です。

ANA系列が就航している航路であれば、那覇に降ろして国内航空+トラックを利用し、伊丹を経由したOLTも可能かもしれません。

あの手この手です。

いろいろと手を尽くし、当社の現場を維持することが関西空港の貨物業務の復旧、そして他港の混在緩和の助けにもなればと思います。

そうこうしている間に関空のKEさんあたりが早々に再開してくれるといいんですけどね・・期待しています。