2019年、働き方改革関連法案の施行により、労働者の時間外労働時間に上限が設定されました。

人材不足と長時間労働を慢性的な問題として抱える運送業界に対しては、2024年3月31日までは自動車運転業務の上限規制適用は猶予されていましたが、2024年4月1日からは年間の時間外労働時間の上限は960時間となり、さらに月60時間超の時間外労働手当は125%→150%に引き上げられます。

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この法令の運送業界への施行によりコスト上昇やドライバー不足により物流に障害が発生する可能性を称し、2024年問題と呼ばれています。


運送業界としては拘束時間の管理やコスト対策、労働環境の改善などによってドライバーの確保とサービスの維持に努める必要が出てきますが、運賃の上昇なくしてサービスの維持は無しえないと筆者は考えています。


いまハンドルを握って荷物を運んでくれているドライバーが望むのは、労働時間を短縮して給料が少なくなることでしょうか?

もし業界がそちらの方向に舵を切ったとすれば、運送業界の魅力は失われ、新たな若い力はおろか、いま働いているベテランもますます職を離れていく傾向に拍車がかかります。

(法律の範囲内で)ガッツリと働き、それに見合う高い収入を得ることこそがドライバーの魅力ではないでしょうか。

業界としては、そのようなドライバーに対し、十分な対価を与えることのできる環境を整えることが大切だと思います。


折しも急激な円安と原油高、航空運賃や海上運賃の高騰などで流通業界は非常に苦しい状態にあることは間違いありません。

しかしトラック業界は2年を切ったこの法施行に備え、ベースアップに向けて荷主に働きかけることが重要です。


安さを売りにする風潮から脱却し、運送力の安定確保が重要視される時代がやってきます。

無駄な待機や荷役を極力切り離し、効率よく貨物の「移動」に特化していくことでドライバーの価値はますます高まっていくことと思います。

先見性のある大手荷主が運送力の安定確保に先行投資をおこない、中小の下請け・孫請けまでちゃんとその利益を享受できるようになることを祈ります。