2021年1月22日に「核兵器禁止条約」が発効しました。

これは核兵器を法的に禁止する初めての国際条約であり、核兵器廃絶に向けた大きな礎になると言われています。






一方、この条約には、アメリカやロシア、中国などの核保有国やNATO加盟国、韓国や日本も参加しておらず、そのため、現在世界中に存在する核兵器の削減には何の影響も及ぼさないことになります。


菅総理大臣はこの条約に対する日本のスタンスとして、

「唯一の戦争被爆国として条約が目指す核廃絶というゴールは共有しているが、核兵器の無い世界を実現するためには核兵器の保有国を巻き込んだ上で核軍縮を進めていくことが不可欠だ」

と述べています。


核保有国が参加していないことが日本の不参加理由になるという何ともしっくりこない理屈ですが、やはりそこには世界最大級の核保有国である米国と安全保障条約を結び、その傘下にあるという厳然たる理由があると思われます。

今回の条約批准には各国の市民団体の活動によるところが大きいと言われていますが、核被爆国である日本の活動はその中心的存在であったことは想像に難くなく、一方で核兵器に守られながら平和な状態を保っているという内部矛盾を抱えていることになります。


尖閣諸島での活動を活発にする中国では海警団の武器使用を合法的に認め、イギリス海軍やドイツ海軍も艦艇をアジア地域に派遣することを検討しています。

報復を恐れるがゆえに保たれている軍事的均衡を平和と呼ぶならば、それはあまりにも脆く儚い平和と言えるでしょう。

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