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北米や欧州向け輸出航路で始まったコンテナとスペース不足、そしてそれに伴う運賃高騰。

11月に入ってからは、アジア航路への影響も顕著になってきました。

各社が相次いて日本発アジア向け航路の運賃修復を発表しています。

アジア航路にこのような緊急の運賃修復を採用するのは非常にまれと言えます。


11月9日現在、確認できたところの概要は下記の通り。


YANG MING : 日本発アジア向け USD50/TEU

CNC : 日本発アジア向け USD50/TEU

INTERASIA : 日本発アジア向け USD50/TEU(中国・香港・台湾)  USD100/TEU(東南アジア)

TS LINES : 日本発アジア向け USD40/TEU(中国・香港・台湾)  USD80/TEU(東南アジア)

WAN HAI : 10月発表 日本発アジア向け USD50/TEU
    ⇒11月発表 日本発アジア向け USD50/TEU(中国・香港・台湾)  USD100/TEU(東南アジア) USD250/TEU(中東・インド)

WAN HAI : アジア発日本向け輸入 USD50/TEU(中国・香港・台湾) USD100/TEU(東南アジア)

などなど。


アジア航路でシェアを持つONEやOOCL,EVERGREENなどはまだ同様の発表がなされていませんが、マーケットを取り巻く環境は同様なので、追従してくる可能性は大いにあります。

また、WAN HAIだけでなく、輸入航路に適用範囲を拡大する船社も増えてくるかもしれません。


ローカルポート発着で多数のアジア航路をもつ韓国船社も運賃修復の発表はありませんが、先月相次いでCIC(Container Inbalance Charge)を採用しました。


レートの変動が激しい中国からのアジア航路では、一部USD1000/TEUを超える運賃修復も見られるとのことです。

そのような中、日本発着の運賃変動は穏やかと言えるかもしれませんが、その分コンテナやスペースを確保するという、いわばインフラの維持能力がアジア市場において圧倒的に弱いという見方もできるでしょう。


コロナ禍からの急激な物流回復は海上コンテナの需給と還流に大きなひずみをもたらし、正常化する見通しのたたないまま船積みを待つ貨物は静かに増えていきます。

船積みのブッキングをコントロールする部署ではスペースやスケジュール調整のバタバタがしばらくの間つづくことになりそうです。


いずれの船社も、運賃修復の案内では、「コンテナ不足やスペース不足で船社を取り巻く航路環境は一層厳しいものになっている」と今回の運賃修復に踏み切る理由を説明してあります。

船会社の好況が業界誌では報じられる中、市場全域にわたって実質的な一斉値上げが行われているのが実態ですが、この値上げを受け入れることが現状の事態を回復に向かわせるのかどうかは定かではありません。