7月28日、アメリカのポンペオ国務長官とオーストラリアのペイン外相は共同声明を発表し、中国による南シナ海の領有権の主張は無効であるとの姿勢を改めて明らかにしました。

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もともとポンペオ国務長官は自身のTwitterで7月13日、中国の主張は違法であると発言していましたが、今回公式声明として、さらに第3国との共同声明として中国に対する態度を明らかにしたことになり、これは世界中に対して中国に対する姿勢を明確にした歴史的とも言える出来事と言えます。

まして、領有権問題の当事者でない国がこのようなことを発表すること自体、異例ともいえるのではないでしょうか。

声明の中では、2016年にフィリピンからの申し立てによって常設仲裁裁判所による審理が行われ、「該当海域に対する中国の歴史的主権の主張は国際法上の根拠がなく違法である」と下された判決は最終的で拘束力があることもあわせて明言されています。


南沙諸島を含む南シナ海はもともと、中国をはじめ台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ブルネイが領有権を主張し、各国の軍隊が複数駐在して実効支配が行われている区域が入り乱れています。

2015年に中国により浅瀬を埋め立てた人工島に3000m級の滑走路が建設されたことが明らかになったことをきっかけに、米中の軍事的緊張は高まりつつありました。


それまでは米軍も「航行の自由作戦」と称して艦船を派遣するなどの示威行動を行ってきましたが、コロナ問題、経済摩擦や香港やウイグル自治区などの人道的問題による米中関係のひずみが大きくなってきたこのところ、具体的な軍事行動の予定を思わせる活動が活発になってきています。


米軍による原子力空母2隻の投入は以前にも記事に書きましたが、B1BやB52Hといった戦略爆撃機も近隣空域を日々飛行しており、オーストラリア海軍も艦隊を派遣し、米軍との合同訓練を行っているといいます。

日本ではあまり報道されていないようですが、このような訓練に日本の自衛隊も関わっている記事が散見されます。

具体的な内容が日本のマスコミで報道されればちょっとしたパニックになるかもしれません。


南シナ海は世界の海運物流量の25%が通過する海域と言われます。

もしこの広大な海域が戦闘区域となってしまったら、我々の取り扱う物流の大部分に大きなインパクトとなることは疑いの余地もありません。


海外の扇動的な報道では、11月の大統領選挙までに米軍が南シナ海で具体的な行動を起こすことが多く報じられています。


穏便に事態が収拾する道は残されているのでしょうか。