ニュースを見ていると、リブラの話題を毎日目にします。

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しかも、リブラの導入に対してネガティブなキャンペーンの話題ばかり。


簡単に説明しておくと、リブラとはFacebookが今年6月に発表し、来年の導入を目指している仮想通貨の一種です。

ビットコインなどに代表される仮想通貨の最大の特色は、ブロックチェーン技術を利用して銀行の仲介なしに取引できるところにあります。

取引はオンラインに限ったものになり、現金という物理的な存在を持たないため「仮想」通貨と名付けられていますが、あくまで現在市場に流通している現金に裏打ちされた「価値」であり、無いところに無限にお金の価値を生み出すものではありません。

しかし、多くの人が共通してその価値を認識し、利用頻度が上がることにより、通貨としての実質的な価値を持つようになります。


Facebookの利用者をバックグラウンドに導入を進めようとしているリブラ。

場合によっては小さな国の通貨以上に流通価値を持つ可能性もあり、その導入に対してのリスクを警告している団体が数多くあります。

アメリカ議会をはじめとして、各国の銀行、G7やG20の財務大臣・中央銀行などなど。


実際に、アメリカ議会からの警告文により、当初参画企業として名を連ねていたMaster Card, VISA, Paypalなどが脱退を表明しています。

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なぜ、これほどまでに銀行や国家機関がリブラに危機感を抱くのでしょうか。


それは、USDをはじめとして各国の中央銀行が発行する通貨が各国の経済力の裏付けであり、支配力の象徴でもあるからです。


仮にUSDに頼らず、世界中の人々がリブラで貿易決済を始めたら・・


銀行の役割は縮小し、通貨の価値は下落するうえ、金利調整によって行われる経済政策は効果が薄くなるかもしれません。


また、お金のやり取りが取引者同士のみで行われるため、マネーロンダリングや反政府活動の資金の温床になるという懸念もあるようです。


グレシャムはかつて400年以上前に「悪貨は良貨を駆逐する」と言いました。


どちらが悪貨でどちらが良貨なのか、我々はどのような形でその結果を目にすることになるのでしょうか。