洪水ハザードマップが示すように、居住地域のほとんどが洪水時に1階(水色)もしくは2階(赤色)部分が浸水するとされている東京都江東区。

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今回の台風でも、荒川に近い一部地域では避難勧告が発令され、高台にある避難所や高層建築物の3階以上という避難場所の指示にしたがい、実際に避難が行われました。


幸いにも荒川の決壊は免れ、洪水被害からの避難は取り越し苦労となったわけですが、その陰には様々な治水事業の蓄積があったのです。




隅田川と荒川に挟まれ、海抜ゼロメートル地帯がその大半を占めるこの地域にとって、洪水が起こったときの被害は計り知れないものとなります。

しかしながら、昔からの水運のために縦横に張り巡らされた数々の運河は今でも交通網の一部としての役割を担っており、江東区や墨田区はいまでも水に囲まれた土地と言っても過言ではありません。


そのため、この地域内の運河の水位を低く保ち、浸水を防ぐために、水の流入を調節するための水門と、区域内の水を汲みだして荒川や隅田川に戻すための排水機場が数多く配置されています。

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結果として、この地域の内部河川の水位は外部よりも低い位置に保たれ、そのため水位差が生じます。

この水位差を乗り越えて船が通行できるように設置された施設が扇橋閘門(こうもん)、東京のパナマ運河なのです。


昭和52年に完成したこの扇橋閘門、常に係員が駐在し、往来する船が来るたびに閘門を操作して船の行き来を助けます。

昔のように貨物や砂利などを運搬するための船だけではなく、カヤックやスタンドアップパドル、プレジャーボートのような一般の人たちの船もちゃんと通してくれます。

江東区内の運河は流れもゆるやかで、沿岸には桜を楽しめるスポットも多く、またスカイツリーのすぐ真下まで船で到達できることもあって、花見のシーズンには1日に何百回も操作することがあるのだそうです。


幸運にも災害を免れた都市、このような投資と努力が陰ながら行われていたことに感謝したいとおもいます。


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