本日、10月3日朝7時11分ごろ、北朝鮮東岸の元山(ウォンサン)港付近の海上(海中)から飛翔体が発射されたとの報道がありました。

またかと思いがちな北朝鮮の飛翔体ですが、今回の発射は戦略上、いくつかの重要な戦略上の意味を持ちます。



それは、潜水艦発射ミサイルの運用技術が完成段階に進みつつあることの示唆、そして大陸間弾道ミサイルの技術向上のアピールです。


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公開されている発射画像は、あきらかにミサイルが海中から発射されているように見えます。

これは、SLBMが採用する発射方式「コールド・ローンチ」の実験に間違いないと思われます。


水中からミサイルを水上に射出したのちにロケットに点火して弾道飛行を制御するこの発射方式は、地上からの固定発射台からのミサイルよりも高い制御技術を必要とします。

隠密性の高い潜水艦に、固形燃料を充填していつでも発射可能な状態の弾道ミサイルを搭載することは、敵国に対して戦略上非常に大きな脅威となります。

今回のミサイルはロフテッド軌道を取り約400㎞の飛行で着水したとされていますが、最長射程距離は1000㎞と分析されています。


日本の対潜警戒網をかいくぐり、太平洋を渡ってアメリカにミサイルを向けることは現実的ではありませんが、射程1000㎞は日本海のどこからでも東京を狙えることを意味します。


幸いにも、こうしたSLBMの発射装置を搭載することのできる潜水艦の開発はまだ進んでいないと言われていますが、数年前に同様の実験の様子を公開し、合成写真ではないかと揶揄された時と比較して、今回の発射は明らかに発射技術が実用レベルに近づいていることを意味します。



そして、ロフテッド軌道をとって着水までを観測する実験の意味は、その弾頭部分が着水まで保護されているかどうか、つまり、発射から着水まで弾頭の中身が機能する状態に保たれているかということを確かめるということです。

実験においては、弾頭部分のなかにデータロガーや信号のやり取りを行う装置を搭載し、発射から着水までのデータを追跡できればその目的を達したことになります。

しかし、考えてみましょう。


弾頭の中身の装置が機能する、ということは、核弾頭がきちんと弾頭としての役割を果たすということです。


アピールとか示威行為だとかパフォーマンスだとかもう慣れただとか、言っている場合ではないのでは・・・