ニューヨークで開催されている国連総会。

首脳会談の内容や合意の発表、各国首脳の一言一言にマーケットが一喜一憂しています。


アメリカ財務省は8月27日、イランに対する制裁に違反した疑いにより、COSCOの関連企業2社を制裁対象リストに加えました。

具体的には、当該会社に所属するタンカーがイラン産の原油を積んで航海したものと思われます。







といってもコンテナ船業界にはとりあえず関係なく、制裁対象になったのはそのグループの中の

Cosco Shipping Tanker (Dalian) Co

Cosco Shipping Tanker (Dalian) Seaman & Ship Management Co


の2社となります。


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山ほど関連会社のあるCOSCOグループですが、最近では香港のあのOOCLの親会社であるOOILを買収しており、COSCOのコンテナ船部門と並立してOOCLを傘下に収めています。


合併当初はOOCLのブランドイメージと良好なサービスを維持するため、一部のコンテナを共用する以上に具体的な協業体制を見せていませんでしたが、最近になってOOILのCEOにCOSCO出身者が就任したりと、だんだん中国色を色濃く見せてくる可能性もゼロとは言えません。


香港で生まれたブランドであり、アジアだけでなく太平洋、ヨーロッパ航路で上質なサービスを提供し、日本の地方港も広くカバーする、アジア系の柔軟さと欧州系の格式の高さを併せ持つOOCL。


米中貿易摩擦や対イラン、対北朝鮮制裁など、我々日本の国際物流はアメリカの意思決定に大きく方向性を左右されてることは間違いありません。


そして、いままであくまでビジネス優先に中立性を保ってきたOOCLも、もしかするとその政治的な波に揺られることになるのでしょうか。


個人的には非常に好きなコンテナ船会社なだけに、いままでのカラーを保ってもらえるよう陰ながら応援したいと思います。


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