合意なきBREXITを目前に揺れるイギリス。

昨日、ボリス・ジョンソン首相は、10月中旬まで議会を閉会する方針を表明し、エリザベス女王は議会開会の宣言を10月14日に行うことを容認したと報道されました。

10月末を以て、「たられば無用」でEUを離脱するというジョンソン首相の主張が現実味を帯びてきています。



 

このロイターの記事のなかで、下院議長のコメントがこのように記されています。

バーコウ下院議長は、「明白な」議会の審議妨害に向けた動きで、民主主義に反すると批判した。


The Mother of the Parliaments とも呼ばれ、議会制民主主義の源とされる英国議会。

日本と同じく上院(貴族院)と下院(庶民院)の二院制の形を取られていますが、国民の選挙によって選出された議員により構成され、立法権を持ち優位性が保証されているのは下院になります。


下院議長は選挙で選出されますが、このバーコウ下院議長が面白い。

与党と野党が剣線を挟んで向かい合い、議論を戦わせる議場で、議事を進行し、決議を促す役割を持つのが議長の役割ですが、その様子たるや、「役者やなぁ~」とうならされます。


いかにもイギリス的な回りくどい言い回しを使い、表情ゆたかに、時には厳しく、時には皮肉たっぷりにヤジをおさめ、発言者を尊重するよう議場をコントロールします。

その時に多用される呼びかけの声、" Order ! Order ! (=静粛に!) "。

キャプチャ


ここだけを見ていると、あたかもコメディアンが面白おかしく役割を演じているように見えますが、その実、与党野党双方の発言者の意見を尊重し、感情的にならず、論理的に意見を戦わせ、自らの国に対して最適な結論を導き出すことができるよう、討議を進めていることがよくわかります。


いま、BREXITを目前に控え、荒れに荒れる英国議会。


今回のコメントにもあるように、民主主義を尊重し、プライドを以て議論することを重んじる英国下院。

まだどう転ぶかわからない情勢ですが、このバーコウ議長ももしかすると英国議会史に名を残す仕事をやってのけるかもしれません。