地球上に生きる動物は、いったいどのくらい長生きできるのでしょうか。


一般論では、大型の動物、もしくは行動がゆっくりの動物は長生きだと言われています。

地上に生きる哺乳動物であれば、管理された環境下で、サイやカバが50年、象が80年くらいまで生きると言われています。

爬虫類に範囲を広げると、ムカシトカゲが200年、リクガメには250年ほど生きる個体もいたそうです。

ちなみに鶴の寿命は飼育された個体でも50年程度とか。


水中に環境を移すと、世界は果てしなく広がります。

かつて岐阜県に、226歳まで生きた錦鯉の花子がいたそうですが、これはまあ例外でしょう。


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野生の淡水魚で最も長寿とされているのは、北米大陸に住むビッグマウス・バッファロー。

112歳になる個体が確認され、晴れて約12000種の硬骨淡水魚の最高齢と認定されました。

おちょぼ口の鯉、といった風貌です。

Buffaloのマウスとは何の関係もないようです。


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生涯を北極海の厚い氷の下で過ごすホッキョククジラ。

200歳くらいまで生きるとされています。

背ビレを持たない独特のシルエットをしており、巨大で固い頭蓋骨で時には60㎝もの厚さの氷を割って水面で呼吸するそうです。

まるで原子力潜水艦。


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ニシオンデンザメ。

北大西洋の深海に生息し、「世界一のろい魚」と揶揄されるこのサメは、動きだけでなく成長も非常にゆっくりしており、繁殖可能になるまで150年もかかると言われています。

2017年に発表された論文には、なんと調査された個体のなかには1505年生まれのものが確認されたそうです。

そのころ日本では・・・1543年鉄砲伝来となっていますな。


やはり水中、ことさら海のほうが生物の生育に優しいのでしょうか。

確認されただけでも地上の動物より長寿であり、またまだまだ発見されていない魚が潜んでいる可能性も十分にあります。


なお、ここまでは脊椎のある動物に限った議論にとどめていましたが、無差別級となるととてつもないモンスターが海中には存在します。



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ベニクラゲ。

写真のような成体から、繁殖後、ポリプという幼体に戻ることができ、また再度成体へと転生します。

しかも何度でも。

まるで火の鳥ですね。

この地球上には、理論上5億歳のベニクラゲが存在するという学説もあるとか。



こういうと地球上の海がベニクラゲで溢れてしまいそうな気もしますが、普通に食われて死にます。