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この生物はクマムシ。

およそ1000種の生息が確認されており、体長はおよそ50μmから最大でも1.7mm程度。

8本の足でのそのそ歩くその姿形から、その名が付けられました。


さてこのクマムシ、じつは最強生物との呼び声高い生物でもあります。

この小さな生物がなぜ最強と呼ばれるのか、それはクマムシが持つある特殊能力に秘密があるのです。


このクマムシ、生活環境が乾燥し、水分がなくなってくると、体の代謝を止め、体を縮めてカプセルのような状態を作ります。

周囲の環境の変化に合わせてゆっくりとカプセル状態になったこのクマムシの状態を「乾眠(かんみん)」と呼び、再び環境に水分が戻ると再度生体活動を再開することが出来るのですが、この乾眠状態の耐性がハンパではありません。


なにしろ、その誇るべき耐性はこのとおり。


温度  上は150℃程度から、下は絶対零度(‐273℃)付近まで耐える。
乾燥  通常時、体重の85%を占める水分が3%まで低下しても復帰可能。
圧力  75000気圧から真空まで耐える。
放射線にも耐えます(X線を例にすると、人間の1000倍)。


クマムシのDNAのゲノム解析をしたところ、その組成には細菌や菌類、植物やウイルスの組成まで含まれているそうです。

まだまだ未知の部分が多く、そのサバイバル能力の秘密はまだまだ研究が続けられています。



さてこのクマムシですが、実は月面で生きているかもしれないという話があります。


2018年に行われた月面無人探査のコンテスト、Google Lunar X Prize(GLXP) に参加したイスラエルのチームSpaceILが開発した月面探査機Beresheet(べレシート)は、GLXPで設定された競技期限が終了し、勝者なくコンテストが終了したのち、2019年2月にSpaceXのロケットにより月面に向けて打ち上げられました。

1か月あまりかけて月周回軌道に到達したBeresheetは、その後着陸態勢に入ったところでコントロールを失い、月面に墜落したのですが、じつはその探査機には乾眠状態のクマムシ1000匹が積まれていたとのことです。


クマムシは乾眠状態に限って環境への耐性が強いだけで、小さな生物ですから潰せばすぐに死にますし、お湯をかけても死にますし、ほっておいても寿命は3カ月から半年くらいです。

しかし、この月面に放り出された(?)クマムシたち、何かのきっかけで今後生体を取り戻すことがあるのかもしれません。


いつか人類が再度月面に降り立った時、そのクマムシたちのことを思い出し、再びよみがえらせてほしいですね。


知らないうちに月面がクマムシの王国に・・・まさかね。

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