ホルムズ海峡は、オマーン湾とペルシャ湾の間に位置し、イランとオマーンの飛び地に挟まれた幅わずか33㎞の海峡です。

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日本が原油を輸入している主な国、サウジアラビア、UAE、カタール、クウェート、オマーンやイラン、イラクは全てペルシャ湾に面しており、日本のみならず中東の産油国から原油を搭載したタンカーはほぼすべてこのホルムズ海峡を航行すると言えます。


アメリカ、トランプ政権が主導するイランに対する経済制裁に対し、イランはあからさまに反発する姿勢を示し、実際にホルムズ海峡とペルシャ湾の航行リスクはかつてないほどに跳ね上がっています。

そして、日本もその海域を航行する商船のみならず、日本の保有する軍事力が安全保障上、無関係ではいられない事態が発生しつつあります。



4月22日 イラン高官がホルムズ海峡封鎖を示唆
5月10日 米国防総省が中東地域にパトリオットとドック型輸送揚陸艦の配備を発表
5月12日 サウジアラビアとUAEが相次いて、オマーン湾でタンカー等の商船が破壊活動に遭遇したことを発表
5月13日 英仏独がイランに対する核合意維持で意見が一致したことを表明
5月14日 サウジアラビアが石油施設にドローンによる攻撃があったことを公表
5月19日 イラク・バグダッドの米国大使館のある地域にロケット弾が撃ち込まれる
5月20日 イラン原子力庁が、ウラン濃縮施設の製造能力を4倍にすることを発表
6月12日 安倍首相がテヘランでロウハニ大統領、ハメネイ師と会談し、米国との緊張緩和を要請
6月13日 日本の運航会社のタンカー "KOKUKA COURAGEOUS"がホルムズ海峡で何者かの攻撃により火災発生
同日   米ポンペイオ国務長官はイランが関与する攻撃と判断。
6月20日 イラン革命防衛隊は、イラン領空を侵犯した米国無人偵察機グローバルホークを撃墜したと発表
同日   米国はイラン管制空域の民間機による飛行を禁止
6月29日 大阪でのG20サミット終了
7月1日 イランの保有する低濃縮ウランが核合意で定められた上限を超過
7月4日 イランのウラン濃縮が保有量だけでなく濃縮率も上限超過
同日   ジブラルタル海峡を航行中のイランタンカーを英海兵隊が拿捕
7月7日 イランのウラン濃縮率が5%超へ
7月9日 ホルムズ海峡を航行する船舶の安全確保のための「有志連合」結成を呼び掛け
7月10日 ホルムズ海峡を航行中に英タンカーが拿捕未遂



日本政府は、この「有志連合」参加の呼びかけに対して、海上自衛隊の派遣とその合法性について検討、判断をしなければなりません。

かつて海上自衛隊はソマリア沖の海賊から商船を守るため、海上警備行動発令のもとに海外に派遣されていました。
しかし、その時と状況は大きく異なり、相手国がはっきりしているという明確な対立構造があります。


日本として国際貢献だけでなく、自国の財産の安全を確保するためにすべきことを考える新たな局面を迎えています。

筆者としては海上自衛隊がこの「有志連合」に参加し、抑止力として海域の平和維持に貢献してもらいたいと思いますが、同時に派遣される皆さんの無事の帰還を強く願わずにいられません。


米国は、この「有志連合」の編成は数週間の間に決定したいという意向を示しています。