2月22日(金)午前7時29分、はやぶさ2は小惑星リュウグウに1回目の着陸を成功させました。
着陸の瞬間リュウグウ表面に弾丸を発射し、サンプラーホーンからリュウグウの破片を採集し、再びホームポジションまで上昇するという一連のシーケンスがすべて異常なく完了したことが、はやぶさ2から送られてきたデータ解析により明らかになったそうです。
はやぶさ初号機以来、世界に類を見ないこの偉業を大過なく達成した日本の科学力にまずは大拍手です!

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筆者も朝から息子たちと一緒にYoutubeの実況を興奮しながら見ていましたが、その瞬間は突然訪れました。
そして、あとからいろんなことがわかってくるにつれ、徐々に気持ちが盛り上がっていきました。

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やはり泣けたのは初号機プロジェクトマネージャー、川口教授の登場でしょうか。
「宿題を果たしてくれた。頼もしい。」などの賛辞のコメントを送りつつも、初号機のタッチダウンのときのことに話題が及んだときには一瞬言葉に詰まり、表情が硬くなっていました。
はやぶさは満身創痍ながら無事地球にカプセルと届け、オーストラリアの空の星屑となったことはよく知られていますが、やはりその時の緊張感は何年たってもよみがえるものなのでしょう。
それほどまでに宇宙を愛し、チームを愛し、プロジェクトを愛した人の凄みを見た気がしました。


その川口教授が中継でおっしゃっておられたこと。それは、
「表面サンプル回収ならはやぶさでもやった。インパクタにこそ皆さん興奮してもらいたい」とのこと。


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はやぶさ2には、初号機には搭載されていなかった「インパクタ」という装置が備えられています。
はやぶさ2から切り離されてリュウグウに衝突させ、内部の火薬を爆発させることでリュウグウ表面にクレーターを人工的に造り、リュウグウの内部組成物を回収することが目的です。

しかし、クレーターを造るほどの爆発力はインパクタそのものやリュウグウの破片を飛散させ、はやぶさ2そのものを危険にさらします。
したがって、このミッションは、インパクタを切り離すと同時にはやぶさ2はリュウグウの裏側に退避して飛散する破片の影響を避ける必要があります。
しかも、40分という限られた時間で。

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3億キロという距離は地球との通信に20分という大きなタイムラグを発生させます。
つまり、このような機動はすべてはやぶさ2の自動運転にゆだねられるということ。

しかし、無事に着陸ミッションをやり遂げたはやぶさ2ですから、無事にすべてのミッションを完遂し、地球にサンプルを届けてくれるに違いありません。

これから12月ごろまではやぶさ2はリュウグウ上空にとどまり、インパクタを含めたミッションをこなし、地球への帰路につきます。
まだ折り返し地点にも立っていないはやぶさ2ですが、今後のミッションの成功と無事の帰還を祈りましょう。



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