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 皆さんは、深宇宙という言葉をご存知でしょうか。


1995年にハッブル宇宙望遠鏡がおおぐま座のなかの視野角144秒角という非常に狭い範囲を撮影した342枚の画像。
それを合成した画像は、天文学、そして宇宙物理学において画期的な発見となる写真となりました。


その画像に移されている約3000もの天体は、ほぼすべてが銀河であることが確認されたのです。


それがどれほどのことなのか、我々が住んでいる地球を基準に考えてみましょう。


ご存知の通り地球は太陽の惑星です。
太陽は自ら燃えて光を発する恒星であり、銀河系のなかの恒星のひとつです。
我々が夜空を見上げて見える星は、全て銀河系のなかの、太陽と同様の恒星です。
そして銀河系にはその恒星が2000億から4000億個あるとされており、その銀河系の直径は約10万光年です。

地球から見える天の川はその銀河系の星が濃く集まった部分が川の流れのように見えており、観測された色々な状況から、太陽は銀河系の中心から26000光年に位置するとされています。

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では、広い宇宙の中で我々の銀河のおとなりはどのくらい離れているのでしょう。


我々のいる天の川銀河に一番近い位置にある銀河は、アンドロメダ銀河。

その距離は250万光年といわれ、1兆個の恒星からなる直径26万光年の大きな銀河です。
条件が良ければ肉眼でも観測できる非常になじみ深い、美しい形をした渦巻銀河ですが、40億年以内に天の川銀河と衝突することになっています。


さてさて、深宇宙に話を戻します。

天の川銀河と、そのすぐおとなりのアンドロメダ銀河のスケール感を持って、改めて深宇宙の写真をみると、どうでしょうか。
大小、色とりどりの銀河がそこかしこに散らばっています。
その一つ一つが、天の川銀河であり、アンドロメダ銀河なわけです。


「見えない宇宙を観測しよう」という漠然とした思いに端を発した深宇宙の観測。
そこに映し出された世界は、宇宙の起源に迫る122億光年もの彼方の銀河までが映っており、宇宙の起源や形、状態まで様々な理論の裏付けとなる貴重な結果となりました。

今後、観測技術の発達と宇宙理論の発展により、宇宙の起源の謎にますます迫ることが期待されます。
この1995年のハッブル・ディープフィールド(HDF)の発見に続き、1998年のハッブル・ディープフィールド・サウス(HDF-S)、2003年のハッブル・ウルトラディープフィールド(HUDF),2012年のハッブル・エクストリームディープフィールド(XDF)と、深宇宙の観測は継続されています。

深宇宙の探求は、まだまだ始まったばかりです。

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