冬の星空がきれいなのは、空気が乾燥しているため空気中の水分量が少なく、澄んでいるためと言われています。
また、日照時間が短く、残照の影響を受けない時間帯が長い、つまり暗い時間帯が長いことも夜空をじっくりと楽しむことが出来る一つの理由です。


今の時期、日が暮れると東の空から明るく光り輝く一等星がたくさん上ってきます。

おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲル。
この6つの一等星を結んだ6角形を、冬のダイヤモンドと呼びます。


a026c6fedf73640f05c6330c97cc10f0



冬のダイヤモンドの中には、オリオン座のベテルギウスがあり、一目で7つの一等星を一度に見ることのできる素晴らしい景色を楽しむことができます。
日本の大部分で観測できる一等星は15個ですから、これは実に素晴らしいことです。


夜空に輝く星は、火星や木星、土星のような太陽系の惑星と月以外は全て、太陽と同じように自らが燃えて輝く恒星です。
そして、人間の目では大きさを判別することはできず、空に浮かぶ「点」が明るいか暗いかだけの違いでしかありませんが、地球からの距離やその実際の大きさは、じつは想像を絶する真実がたくさんあります。


例えばオリオン座の左上で赤く輝くベテルギウス。
地球からの距離は642.5光年とされています。

大質量の星の寿命近くの状態とされる赤色巨星として知られるこの星。
半径は820,900,000㎞とされています。


これがどのくらいの距離なのか。
太陽の半径の何倍?
いやいや、そんなレベルではありません。


太陽系の惑星の一つ、木星。
この木星の軌道半径は、778,300,000㎞とされています。


つまり、ベテルギウス一つの大きさが、太陽系の木星の軌道までをすっぽり包んでしまう大きさだということです。


もう、ポカーン( ゚д゚) ですね。


Star-planet-Betel-1024x387



また、このベテルギウスですが、超新星爆発をいつ起こしてもおかしくないと言われています。
さらに言えば、いま見えている光はおよそ640年まえの光ですから、すでに超新星爆発を起こしているかもしれない、とも言えます。


理論上、超新星爆発は銀河系の中で100~200年に一度起こっており、中でも1054年におうし座で発生し、現在はその残骸をかに星雲として姿をとどめている超新星爆発は、平安時代の作家、藤原定家の明月記にも記録が残されています(伝承とされています)。


昼間でも見えるくらい明るく、数カ月にわたって輝き続けると言われる超新星爆発。

もし可能なら、自分の生きているうちに見てみたいものです。





product_img_f_18980390