10月16日、日経新聞に次のような記事が出ていました。


日中、知財巡り新対話 首脳会談で合意へ




知財っていったい何のことでしょうか?
そして、中国と知財にどのような関係があるのでしょうか。


知財とは、知的財産という言葉の略称です。
財産は通常、お金や不動産、所有物など形のあるものですが、人のアイデアから生み出される発明や音楽、デザインなど形のないものから生じる財産を知的財産といい、知的財産に対する権利を知的財産権といいます。


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知的財産権とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権
、商標権、回路配置利用権などに類別されます。
そして、知的財産権を侵害する物品は、輸出入が固く禁じられています。
販売や個人使用など用途の違いや輸入者、価格や数量の大小にかかわらず、無条件に禁止です。

もし輸出や輸入の通関手続きの途上で、知的財産権を侵害すると思われる物品(知的財産侵害疑義物品といいます)が発見された場合、税関はその物品が本当に知的財産権を侵害するかどうかを認定する手続きに入ります。

認定手続きを簡単に説明すると、税関が間に立って輸出入者とその知的財産権の正当な権利者双方に貨物の情報を送り、その物品が権利者に認められるものであるかどうかを争わせます。


偽ブランド、違法コピーソフト、類似品・・・


争わせると言っても、現実的に「認定手続き」なんて言葉を通関業者が聞く場合のほとんどはニセモノの物品を取り扱うことがほとんどです。
したがって、輸出入者側の権利が認められることはまずありませんし、争いに至る前に権利を放棄する輸出入者がほとんどです。

そして、知的財産侵害物品と認定された貨物は税関により没収され、廃棄されます。


平成30年の関税局の統計を見ると、第一四半期での知的財産侵害物品の差し止め実績件数において、中国からの輸入貨物が91.2%と圧倒的です。
また、中国を含むすべての仕出し国からの統計で最も多いのは商標権を侵害する物品(97.2%)で、また貨物の類別ではバッグ類が41%とトップです。


米中貿易摩擦が激化するなか、先端技術を国内に取り込みたい中国としては日本に接近したいところですが、日本はアメリカとともに、中国に対して公式にも中国製品が知的財産権を侵害していることを主張してきました。


日本としては、日中の協力体制がアメリカの反感を買うことは避けなければならず、外交手腕の見せ所と言えそうです。


物流業者としては、税関検査により認定手続きに入らなければならない案件に当たるとやるせない気持ちでいっぱいです。

中国が国家として知財侵害物品の排除に乗り出してくれるなら本当に素晴らしいことなのですが・・・