たまたまこれも主役はなんとトム・ハンクス。
しかし、国際物流が舞台となった、は言い過ぎでした。






この映画はFedexのシステムエンジニア、チャックが主役の物語ですが、国際物流が舞台となるのは冒頭20分程度です。
しかし、Express業界を知る人にはなかなか興味深い20分となっています。


2000年に公開されたこの映画、システムエンジニアと言いながらチャックはシステムらしきものを扱うシーンはありません。
映画の中での貨物の配送でも、POD(Proof Of Delivery = 受領印)はドライバーの持つ手板に手書きでもらっていました。


ロシアの営業所を訪れたチャックはそこで働くロシア人たちに、時間の大切さを徹底的に教え込みます。

営業所の壁に大きな時計を掲げ、分刻みで作業を指示し、効率のよい貨物動線を現場に設置する。
空港で自社のフレーターにULDを積み込むわきで、2分遅れで次の便にまわした貨物のことを話し、同僚に「2分を許せばそれが、4分、8分の遅れにつながる。それじゃ郵便だ」と語る。

当時、システムとはまさにこのことを指したのかもしれません。
そして、システムエンジニアとはその作業現場を設計し、人々にフローを叩き込む人だったに違いありません。


現在ではスキャナーやそのデータを処理するシステムや、空港や航空会社とつながった情報の中で仕事をしていますが、現場で貨物を動かすのはあくまで人間です。


人間が動かす貨物をいかに効率的に処理するか、作業動線や搬入口、搬出口をどこに設定するか、作業シフトと人員の配置、休憩時間の取り方などなど、貨物が気持ちよく流れる現場はこのようなことがうまく考えられています。

そして、現場の非効率に対して違和感を持ち、その違和感に対してためらいなく改善を行える人こそが現場にいてほしい人物です。


ゴミ箱の場所ひとつ変えるだけで、ずいぶん作業効率が向上することもあります。
現状に慣れてしまわず、いま面倒でも1か月後の全体最適に貢献する改善であれば積極的に採用する勇気を持ちたいものです。


映画の主人公チャックは、不幸な境遇で自我が崩壊していく中、心の支えとも呼べる友人の存在により生き抜く勇気を持ち続けることが出来ました。

毎日たいへんな作業のなか、少しの遊び心こそ現場の人たちにとっては大切なものなのかもしれません。


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