地味な話題が続きます。
今日はパレットについて調べてみます。

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物流の現場で必ずと言ってよいほど目にするパレット。

調べてみると、パレットが物流の現場で活躍するようになったのは意外と(?)最近のことで、第二次世界大戦後、フォークリフトの普及と足並みをそろえながらのことでした。



そもそも重量物の運搬のために、1924年にアメリカのクラーク社によって世界で初めて発明されたフォークリフトは、基本的な構造としては現在とほぼ変わりのないものでした。


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1939年には日本輸送機(いわゆるニチユ、現在は三菱ロジネクスト)の前身である日本輸送機製作所が「腕昇降傾斜型運搬車」として国内生産を開始しましたが、需要は限られたものでした。

本来、材木や砂、砂利などの重量物の運搬に利用されたフォークリフトでしたが、大きな機械や袋などの重量物であればクレーンで事足りたのかもしれません。


フォークリフトでの荷役を前提としたパレットでの貨物輸送が脚光を浴びてきたのは、1940年代後半、小品種大量生産品の輸送が活発になってきてからと言われています。


沢山のタンボール箱を効率よく輸送し保管するためにパレット需要が生み出され、フォークリフトの普及とともにパレットは物流現場で欠かせない道具の一つとなったと考えてもよさそうです。



輸送のため、倉庫内の保管のため、積み込みや荷下ろしの荷役のため。
今では、用途や規格に応じて様々な材質があり、材質も木材、プラスチック、アルミ、段ボールなど、多種多様です。


貨物の輸出にパレットが使用される場合、航空貨物であればパレット分の重量や容積もCW(チャージャブルウェイト)に換算されるので注意が必要です。
むやみに大きなパレットを使わないことですね。

航空機搭載用のULDによく似たシートパレットの開発もされましたが、荷役機器が限定されるため、あまり普及していないようです。


また、木材パレットを使用する場合、植物に有害な害虫の侵入を防ぐため、IPPC(国際植物防疫条約)の基準に基づいて燻蒸(くんじょう)処理がなされたパレットでないと輸出に使用することはできません。
処理済みのパレットであれば杉の子のような焼き印がパレットにつけてありますので注意しましょう。
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また、コンパネやコルク材のような加工木材で作られたパレットは、害虫がつく心配がないとされていますので安心です。



倉庫に搬入した後にパレット組み換えでは、費用も時間も余分にかかってしまいますからね。