10月6日、83年の長きにわたり首都圏の食を支えてきた築地市場が閉場しました。
10月7日から4日間の休場期間にそれぞれの店舗は引っ越しを済ませ、10月11日からの豊洲市場開場に備えます。


いろいろな問題が提起された移転ではありましたが、すでに決定されたこと。
業者さんたちは新たな場所で否応なく商売を再開しなくてはなりません。
10月11日より解体工事は開始されるそうです。

筆者は何度も築地市場に足を運んだことがありますが、あの狭苦しい場内にひしめき合って並ぶ400もの仲卸やセリ場の威勢の良い雰囲気、ターレには轢かれたほうがほうが悪い、などという無体な市場ルールなど、なんとも捨てがたい空気に満たされた、暖かく心地の良い場所でした。

風情も郷愁もあった築地ですが、50年後に豊洲市場が人々の心を惹きつける場所になっていてほしいと願います。


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さて、外国人観光客にとっても有名な築地市場、そこで花形とも言えるイベントがマグロのセリでした。
生鮮や冷凍のマグロが大きなセリ場に所狭しと並べられ、独特の掛け声とともに値が付けられ競り落とされていく場面をご覧になったことのあるかたもいらっしゃると思います。


2014年の統計を見ると、日本のマグロ類(ミナミ、メバチ、キハダ、ビンナガ、そしてクロマグロです)の国内生産率は意外にも52%と高い数字でした。
これは公海は他国の排他的経済水域(EEZ)で日本漁船によって捕獲されるマグロや国内で捕獲されたり養殖のマグロも含まれており、これらは輸入にはあたりません。
(関税法の勉強で一番最初にならう「輸入とは」ってやつです)


マグロ類については、資源保護の観点から、
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」「インド洋まぐろ類委員会(IOTC)」「全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)」「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」「みなみまぐろ保存委員会(CCSBT)」などの国際機関が設置され、厳密な漁獲高や漁法の制限がなされ、各国の関係機関と連携し、厳密な管理がなされています。

マグロ類を輸入する場合には下記のようなフローに沿って申請を行わねばならず、また提出書類も、マグロの状態や輸送経路、捕獲した漁船の船籍に応じて異なった証明書類などを用意する必要があり、ちょっとやそっとでは素人の手が出せるところではありません。

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かくして国内貨物となったマグロは水産業者の手によって市場で取引されたり、小売店に直接販売されたりして、我々の食卓に上ります。



こうした手続きについては通関業者さんの詳しいところだと思いますが、物流業者としても、品目ごとの通関の特殊性や他法令、国際条約や経済連携協定などについての知識は常にアップデートしておく必要があります。

生鮮食料品や生きた動植物、危険品などはそれを取り扱うことを得意としているフォワーダーや乙仲さんがあるものです。

我々物流業者としては、何でも商売にしたいお客様に対して、むやみにハードルを上げるわけではなく、必要なことをきちんとアドバイスし、「それほど簡単じゃないんですよ」と優しく言ってあげられるだけの知識をある程度は備えておきたいですね。